コロナ感染の警官利用2店舗 賠償求め法的措置も/十和田

自宅待機と臨時休業を余儀なくされたモレナオーナーの伊藤芳恵さん。7月29日に営業を再開した=同月下旬、十和田市
自宅待機と臨時休業を余儀なくされたモレナオーナーの伊藤芳恵さん。7月29日に営業を再開した=同月下旬、十和田市
7月に青森県警の20代の男性警察官=青森市=が、新型コロナウイルスに感染した派遣型風俗店女性の濃厚接触者であるにもかかわらず、市の検査要請を拒否し、同16日に体調不良で救急搬送され、感染が判明してから約1カ月が経過した。当時、この男性は喉の.....
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 7月に青森県警の20代の男性警察官=青森市=が、新型コロナウイルスに感染した派遣型風俗店女性の濃厚接触者であるにもかかわらず、市の検査要請を拒否し、同16日に体調不良で救急搬送され、感染が判明してから約1カ月が経過した。当時、この男性は喉の違和感やせきなどの症状がありながら、同14日に十和田市に出張し、夜に同僚4人と2カ所の飲食店で会食。両店は同16日に保健所から連絡を受けた後、従業員の2週間の自宅待機と臨時休業を余儀なくされた。両店の代表者は「先が見えない2週間だった」「なぜもっと早く検査を受けなかったのか」と憤りを隠さない。現在、男性に対し、休業分の損害賠償を求める法的措置も検討しているという。[br] この男性は7月8日に青森市内で派遣型風俗店勤務の女性と接触。同10日に女性の感染が判明し、顧客リストに警察官の連絡先があったため、市が検査要請していたが、「心当たりがない」と拒否していた。[br] 男性と同僚4人は同14日午後7時半ごろ、十和田市の居酒屋「旬彩 和海(なごみ)」へ来店。約2時間、飲食した後、同9時半ごろにクラブ「モレナ」に移動。モレナでは従業員4人が同席した。[br] 両店に衝撃の知らせが入ったのは同16日夕方。保健所から新型コロナの感染者が店を利用していたので、接触者などを確認させてほしいという連絡だった。[br] モレナのオーナーの伊藤芳恵さんによると、伊藤さんを含め同席した従業員が濃厚接触者に。PCR検査の結果、全員陰性だったが、健康観察のため2週間の休業を余儀なくされた。[br] 伊藤さんは「帽子を深くかぶり、マスクをして夜中に買い物に出た。女性従業員たちには、他の従業員が料理のテークアウトを届けて回っていた」と自宅待機中の生活を振り返った。[br] 同店は従業員のマスクの着用や消毒、検温を徹底し、感染予防策を講じてきた。伊藤さんは「店側が気をつけていても限界がある」とため息をついた。[br] 一方、男性らが1軒目に訪れた「和海」代表の安西直軌さんも「(男性は)信じられない行動。潔く検査に応じてほしかった」と苦言を呈した。 従業員は、濃厚接触者には該当しなかったが、近隣住民らの不安を考慮し、臨時休業。安西さんは「ようやくお客さんが戻ってきたところだった。今回は補償もなく、感染の不安もあって先が見えなかった」と心境を明かした。[br] 営業を再開した同29日、両店を訪れた利用客からは励ましと応援の言葉が伝えられた。伊藤さんは「いいお客さまに恵まれて幸せ。涙が出る一日だった」と感謝。安西さんも「厳しい状況はどこの店も一緒。負けずに頑張っていきたい」と気力を振り絞っていた。自宅待機と臨時休業を余儀なくされたモレナオーナーの伊藤芳恵さん。7月29日に営業を再開した=同月下旬、十和田市