産直「タッコ・ファーマーズマーケット」開設1年 町の活性化、魅力発信へ“実証実験”

タッコ・ファーマーズマーケットの店内。地域特産のニンニクなどの野菜のほか、ピザやスイーツなど手作りの加工品も充実している
タッコ・ファーマーズマーケットの店内。地域特産のニンニクなどの野菜のほか、ピザやスイーツなど手作りの加工品も充実している
田子町ガーリックセンター敷地内の農産物直売所「タッコ・ファーマーズマーケット」は、昨年7月の開設から1年が経過した。初年度は目標売り上げを達成し、町内の他産直施設と連携体制を築いて、上々のスタートを切った。ただ、本来の目的である「道の駅構想.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 田子町ガーリックセンター敷地内の農産物直売所「タッコ・ファーマーズマーケット」は、昨年7月の開設から1年が経過した。初年度は目標売り上げを達成し、町内の他産直施設と連携体制を築いて、上々のスタートを切った。ただ、本来の目的である「道の駅構想」実現へ向けた実証事業は、新型コロナウイルスの感染拡大による同構想の凍結で先行きが不透明な状況。整備主体の町は地場産品の販売態勢と発信力を強化する拠点として、施設を有効活用したい考えだ。[br] ■実証事業の拠点[br] マーケットは鉄骨プレハブ造りの平屋で、総床面積約65平方メートル、総工費620万円。2019年4月に設立された「たっこ産直友の会」(市村文子会長)が運営を担い、地域特産のニンニクを始めとする農作物や加工品を販売している。[br] 実証事業は、道の駅の機能として見込まれる産直施設の運営を担う生産者団体の育成を3年をめどに進める内容。初年度である19年度の売り上げは目標1500万円に対し、1729万円の実績を残した。[br] 町産業振興課6次産業戦略推進グループの木谷健悦グループリーダーは「『まずはやってみよう』の状態からスタートし、一定の成果を挙げられた」と評価する。[br] ■産直の連携強化[br] 一方で町は5月、新型コウイルスの感染拡大を受け、道の駅構想の推進を当面の間、凍結する方針を決めた。“目的”を見失った状況にも見えるが、木谷氏は「町内産直団体の連携強化も開設の目的」と話す。[br] 現在、町内にはマーケットのほか、「JA八戸田子町直売部会」「関所の茶屋」「産直たっこや」の3つの産直施設がある。それぞれ関係者の高齢化、品ぞろえの充実などの課題を抱えていた。[br] マーケットの開設後は、ほかの3産直施設を交えた連絡会議を定期的に開催。販売状況や課題の解決方法など情報を交換し、6月の生ニンニク販売では合同イベントを開催した。[br] 木谷氏は「マーケットがパイプ役となり、産直同士の結びつきを強めることで、一体となって町の活性化や魅力発信に取り組みたい」と力を込める。[br] ■課題解決の場[br] たっこ産直友の会には既存産直の役員も参加している。市村会長はJA八戸田子町直売部会の会長でもあり、マーケットについて「既存の産直の課題を解決する意味でも『実証実験』の場にできれば」と期待を込める。[br] 同友の会の会員数は昨年4月は66人だったが、今年7月には79人に増加。既存産直には出品していない人も多く、市村会長は「若い会員が入り、ピザやスイーツなど加工品が充実してきた。意欲のある人が挑戦し、輝ける場になっている」と話す。[br] 町や産直、生産者の大きな期待を背負う、小さなプレハブ店舗。市村会長は「産直にはそれぞれ違った特色がある。町外から訪れた人が回って楽しめるよう、力を合わせて取り組みを進めたい」と意欲を示した。タッコ・ファーマーズマーケットの店内。地域特産のニンニクなどの野菜のほか、ピザやスイーツなど手作りの加工品も充実している