がん専門の治療センター11月開設/青森労災病院

がん治療や療養支援に特化した「がん診療センター」を新設し、11月の運用開始を目指す青森労災病院=5日、八戸市
がん治療や療養支援に特化した「がん診療センター」を新設し、11月の運用開始を目指す青森労災病院=5日、八戸市
八戸市の青森労災病院(玉澤直樹院長)が、がん治療や、療養中の就労支援などを包括的に行う「がん診療センター」を院内に新設し、11月から運用を開始する方向で準備を進めていることが5日、同院への取材で分かった。同院では今年から、がんの放射線治療分.....
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 八戸市の青森労災病院(玉澤直樹院長)が、がん治療や、療養中の就労支援などを包括的に行う「がん診療センター」を院内に新設し、11月から運用を開始する方向で準備を進めていることが5日、同院への取材で分かった。同院では今年から、がんの放射線治療分野における先進技術を導入して専門性の高い治療に取り組んでおり、同センターの開設によって、北奥羽地方でより質の高い医療の提供を目指す。[br] 同院は2014年、「青森県がん診療連携推進病院」の指定を受け、地域の中核的な役割を担う病院として放射線や手術、抗がん剤を使った化学療法、緩和ケアなど専門的な医療を提供。今年からは、従来の放射線治療よりもさらに短時間で高い治療効果を発揮する治療も開始している。[br] 同センターでは、さらなるがん診療機能の向上を図るため、消化器内科や外科、放射線治療科、歯科口腔(こうくう)外科など各診療科の垣根を越えて、総合的な診断に基づき治療方針を決定。加えて、栄養管理やリハビリテーション、薬剤、緩和ケアなどそれぞれの部門の専門職も連携して、チーム一体となってがん患者の治療と療養中の就労支援に当たっていく。[br] さらに、がん治療に精通した看護師や相談員が対応する総合窓口を設置し、不安を抱える患者や家族らに的確な説明を行うほか、より専門的な治療が必要な場合は、県立中央病院や国立がんセンターとも連携して高度な治療に取り組んでいくという。[br] 将来的には、遺伝子レベルでがんの性質を見極めて個人の体質や病状に合った最適な治療を選択する「がんゲノム医療」や、人工知能(AI)を用いた診断支援などを活用し、最先端のがん診療を提供していく構えだ。センターの開設に向け、院内の改修工事も実施する。[br] センター長を務める真里谷靖副院長は「県南地方ではトップクラスの診療レベルとなる。現代のがん治療の先進モデルとして、地域のがん医療をリードしていきたい」と強調。[br] これまで以上に他の医療機関や診療所との連携を強化していく方針で、「地域の各医療機関がそれぞれの強みを生かした医療を提供できるような協力体制を構築するきっかけになれば」と期待を込める。がん治療や療養支援に特化した「がん診療センター」を新設し、11月の運用開始を目指す青森労災病院=5日、八戸市