コロナ禍の中、完全燃焼 苦難ばねに選手一丸/八学光星、最後の夏戦い抜く

オール3年生で大会に臨んだ八学光星ナイン。決勝は惜しくも敗れたが一丸で戦い抜いた=28日、青森市ダイシンベースボールスタジアム
オール3年生で大会に臨んだ八学光星ナイン。決勝は惜しくも敗れたが一丸で戦い抜いた=28日、青森市ダイシンベースボールスタジアム
昨秋の青森県大会1回戦コールド負け、選手の相次ぐ故障、そして新型コロナウイルスによる夏の甲子園中止―。八学光星ナインは、二重、三重に味わった悔しさをばねに今夏の高校野球県大会に臨んだ。実戦経験が少ないこともあり、大会序盤は細かいミスも目立っ.....
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 昨秋の青森県大会1回戦コールド負け、選手の相次ぐ故障、そして新型コロナウイルスによる夏の甲子園中止―。八学光星ナインは、二重、三重に味わった悔しさをばねに今夏の高校野球県大会に臨んだ。実戦経験が少ないこともあり、大会序盤は細かいミスも目立ったが、試合を重ねるごとにチームは成長。決勝では惜しくも敗れたものの、ナインたちはコロナ禍の中、最後の夏を“完全燃焼”した。[br] チームは、昨秋のスタートからつまずいた。主戦の森木光汰朗や中軸を担う大橋匠吾、中山巧巳が県大会前に負傷。主将の中澤英明も腰の疲労骨折から病み上がりでの出場を余儀なくされた。結果は1回戦コールド負け。「何もできなかった。自分は何のために光星に来たのか」(大橋)。多くの選手がうなだれた。[br] 雪辱に向け、冬は猛練習で球春へ備えてきた。しかし、そんな選手たちを待っていたのは、新型コロナにより、今夏の甲子園大会は中止するという、あまりに悲しい知らせだった。[br] 3年生21人は、全員が甲子園で勝ち進むことを目標に、親元を離れて、県外から八戸に来た。野球に明け暮れる日々。突然、夢の舞台が消え、「目標を失い、どうすればいいのか分からなくなった」(中澤)。知らせがあった日、3年全員で寮の風呂で泣いた。[br] そんな中、一筋の光が差した。6月上旬に県高校野球連盟が夏の青森大会の代替大会の開催を決定。仲井宗基監督も代替大会のメンバーをオール3年生の21人に決めた。[br] 大会では、試合経験の少なさから、序盤は守りのミスが目立ったが、試合を重ねるごとに修正し、指揮官がテーマに掲げる「粘り強い野球」を実践。ライバル・青森山田高との決勝でも、初回に3点を奪われながらも、中盤に一度は逆転するなど「自分たちの野球」を最後まで貫いた。[br] ナインの努力をそばで見守ってきたマネジャーの荒谷星来さん、玲来さん姉妹は「3年生は悔しい思いをばねに、自分を追い込んで練習していた。ここまで勝ち進んで本当に頼もしく思う」と感慨深げ。中澤は「監督やコーチ、そしてサポートしてくれた後輩、家族の支えがあって、戦うことができた」と感謝を示した。[br] 仲井監督は「秋の1回戦負けから本当に成長していいチームになった。褒めてあげたい」と、苦難にも負けず、白球を追い続けた選手たちをたたえた。オール3年生で大会に臨んだ八学光星ナイン。決勝は惜しくも敗れたが一丸で戦い抜いた=28日、青森市ダイシンベースボールスタジアム