三沢署三沢空港警備派出所の渡部所長「空の玄関口」の治安守る/願いは「空港の安全」

周囲に目を光らせ、三沢空港の安全を見守る渡部佳奈子所長=10日、三沢市 
周囲に目を光らせ、三沢空港の安全を見守る渡部佳奈子所長=10日、三沢市 
今月1日、国内線の一部の運航が51日ぶりに再開された三沢空港。三沢署三沢空港警備派出所長の渡部佳奈子警部補(45)は、にぎわいが戻ってきた青森県南地方の「空の玄関口」の治安を守る。4月の着任以降、新型コロナウイルス感染症の影響で人の往来がな.....
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 今月1日、国内線の一部の運航が51日ぶりに再開された三沢空港。三沢署三沢空港警備派出所長の渡部佳奈子警部補(45)は、にぎわいが戻ってきた青森県南地方の「空の玄関口」の治安を守る。4月の着任以降、新型コロナウイルス感染症の影響で人の往来がなくなり、施設内が静まり返った日々も、気を緩めず目を配り続けてきた。願うのは「空港の安全」。正義感あふれる女性警察官は空港内に立ち、犯罪の兆候を見逃さないよう隅々まで目を光らせるとともに、利用者を温かく見守っている。[br] 渡部所長は八戸市出身。県外での会社勤めを経て2003年、故郷のために働ける仕事がしたい―と警察官に。むつ署や大間署などで勤務を経験、八戸署では中央交番所長を務めた。 空港警備派出所の業務は、施設内外の警備や民間航空機の離発着時の警戒が中心だ。[br] 着任当初は既に一部の便で運休が出ていた。「大抵は乗客が手荷物検査所などで並ぶのに、列ができない。人が少なくて寂しさを感じていた」と振り返る。[br] 5月12日以降、全便が運休。定期便が飛んで来ない。空港内では利用者の姿がほとんどなく、働く人も少ない。そんな日々が、いつ終わるのか、はっきりとしないまま続いた。[br] 「人が少ない時だからこそ、テロなどの標的にならないように警戒しなければならない」。状況に油断せず強い使命感を持ち続け、静かな空港を歩いた。[br] そして7月1日、東京(羽田)線の運航が1日1往復で再開した。空港には、第1便の到着を待つ人、出発に備える人、再開を歓迎する関係者の姿が。「やっぱり人がいるのはいいな」。自然と笑みがこぼれ、歓迎ムードに包まれた空港内を歩く足取りも軽かった。[br] 「暗いニュースばかりだった中での明るい話題。再開を待ち望んでいた人々の気持ちが伝わり、地域にとってはそれだけ大きなことなんだ、と実感した」[br] 人が多く集まる中、緊張感を高めて警備に当たった。危険がないか見張る一方、見送りの男性との別れを悲しんでいた外国人の少女が、出発前にもう一度、搭乗待合室からロビーにいる男性とガラス越しに話ができるように、インターホンの場所を教えるなど、優しい配慮も忘れなかった。[br] 多くの人が行き交うようになってきた三沢空港。8月1日には、大阪(伊丹)線が通常運航に戻る。渡部所長は「利用者はこれからもっと増えるはず。早く元通りに戻ってほしい」と願う。もちろん警戒を怠らない。「三沢空港は青森県の重要な拠点。地方の小さな空港だ、とテロリストや犯罪者に軽く見られないように、監視を強め、空港の安全を守る」と意欲をみなぎらせる。周囲に目を光らせ、三沢空港の安全を見守る渡部佳奈子所長=10日、三沢市