みちのく潮風トレイル(3)洋野町 構造物と自然物交互に

宿戸浜のすぐ脇を通るJR八戸線。曇り空の合間から淡い日の光がそそぐ
宿戸浜のすぐ脇を通るJR八戸線。曇り空の合間から淡い日の光がそそぐ
初夏、オホーツク海高気圧の影響で北東からの湿った風が吹き付ける洋野町沿岸部。今年は特に高気圧の勢力が強く、曇ったり小雨がぱらついたりの日々が続いている。 晴天の日を狙っていたが、原稿の締め切りが迫った16日、意を決して歩いた。朝からじっとり.....
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 初夏、オホーツク海高気圧の影響で北東からの湿った風が吹き付ける洋野町沿岸部。今年は特に高気圧の勢力が強く、曇ったり小雨がぱらついたりの日々が続いている。[br] 晴天の日を狙っていたが、原稿の締め切りが迫った16日、意を決して歩いた。朝からじっとりした空気が漂う中、角の浜駅を出発した。[br] 洋野町区間は約28キロで、そのほとんどが舗装路。防潮堤や風車、漁港といった構造物と、砂浜や荒々しい岩などの自然物が交互に現れる。[br] 交通量の多い種市の商店街を過ぎ、種市海浜公園に差し掛かると、寄り道スポットの「窓岩」の看板が目に入った。約8500万年前の地層が太平洋の荒波によってぽっかりと穴を空けた奇岩だ。足下のコンクリートと見比べると、自然物の美しさは際立っていた。[br] 玉川駅近くの川沿いの道が、雨で崩れたのか通行できなくなっていた。急ピッチで重機がのり面を固めていた。[br] 宿戸浜で八戸線の列車とすれ違い、陸中八木駅前へ。午後3時を過ぎ、にわか雨が降ってきた。ぬれた姿を哀れんでか、庭で草刈りをしていた女性が話しかけてきた。「どっから来たの?」。取材であることを告げ、しばし雑談。過疎化が叫ばれる昨今だが、外で作業をする集落の人たちは思いの外多かった。[br] 水門の上を通り有家浜へ抜ける。有家駅の待合室で休んでいると、子どもたちが元気に波打ち際で遊ぶ姿が見えた。宿戸浜のすぐ脇を通るJR八戸線。曇り空の合間から淡い日の光がそそぐ