新渡戸記念館問題 十和田市、建物明け渡し求め提訴へ

旧十和田市立新渡戸記念館を巡る今後の方針を説明する小山田久市長=16日、同市
旧十和田市立新渡戸記念館を巡る今後の方針を説明する小山田久市長=16日、同市
旧十和田市立新渡戸記念館について、土地と主な資料を有する新渡戸家と、建物を所有する市の民事調停が不成立に終わったことを受け、市は16日、同家側を相手に建物の明け渡しを求め、提訴することを表明した。同館では、最高裁で廃止を妥当とする市側の主張.....
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 旧十和田市立新渡戸記念館について、土地と主な資料を有する新渡戸家と、建物を所有する市の民事調停が不成立に終わったことを受け、市は16日、同家側を相手に建物の明け渡しを求め、提訴することを表明した。同館では、最高裁で廃止を妥当とする市側の主張が認められたが、その後も同家側のボランティアが運営を続けている。[br] 同日の市議会全員協議会で、市側が説明した。29日に招集する市議会臨時会に、関連議案を提出する。[br] 同館は、耐震強度不足を理由に2015年に市議会が廃止条例を可決。同家側は撤回を求めて提訴したが、昨年12月、最高裁が上告を棄却した。その後、同家側が市側に耐震性の再検査や建物の譲渡などを求めて民事調停を申し立てたが、今月8日に不成立に終わった。[br] 市は全員協議会で、▽資料を建物から待避させ、安全を確保する▽市が建物の管理権を取り戻す―などとして、同家当主の明氏(78)と長男常憲氏(53)に対し、明け渡しを求めると説明。小山田久市長は「解決の糸口が見えず、他に講じる手だてがない。断腸の思いだが、訴訟を提起せざるを得ない」と述べた。[br] 一部市議からは「耐震の再検査をやった方が市民の理解を得られるのでは」との質問があったが、西村雅博副市長は「最高裁で判決が出ており、その考えはない」とした。[br] 一方、同家側は取材に対し、訴訟に応じる考えを示した。明氏は「大切な資料をどうするかについての話し合いがなく、市の対応は不信だ」、常憲氏は「市長はわれわれを追い出すために躍起になっているとしか思えない」と話した。旧十和田市立新渡戸記念館を巡る今後の方針を説明する小山田久市長=16日、同市