日本銀行青森支店(勝浦大達支店長)は1日、青森県内の6月期の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、新型コロナウイルスの影響が直撃し、全産業が前期調査(2020年3月期)より13ポイント減のマイナス21に低下。リーマン・ショック後の09年12月以来の低水準で、勝浦支店長は「厳しい状況が続く。前期は非製造業に影響が出ていたが、製造業にも波及しており、数値以上にインパクトは大きい」と危機感を示した。[br] 落ち込み幅は記録に残る1980年の調査以来、過去5番目。前期調査は新型コロナの影響が本格化する前だったため、落ち込み幅は大きくなった。DIの低下は19年9月期から4期連続。[br] DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた数値。調査は5月28日~6月30日に、185社を対象に実施し、183社が回答した。[br] 産業別では製造業がマイナス29(前期比19ポイント減)、非製造業はマイナス16(10ポイント減)で、いずれも緊急事態宣言の発令などで経済活動が停滞し、低水準に落ち込んだ。[br] 製造業のうち、食料品では外食や土産物の需要が大きく落ち込みマイナス36(9ポイント減)。電気機械では生産調整などでマイナス8(23ポイント減)だった。[br] 非製造業では、イベントの中止や外出自粛で、宿泊・飲食サービスはマイナス100(29ポイント減)に低下。一方で、内食需要の増加で小売りはプラス7(14ポイント増)だった。[br] 次期(9月)DIは、全産業で今期比9ポイント減のマイナス30と、一段の悪化を見込む。[br] 勝浦支店長は「先行きについて『悪い』とした企業は、今期と比べ増加しているわけではないので、下げ止まりの可能性もある」と指摘。「全国的には持ち直しの動きもあるので、県内でも徐々に回復することを期待したい」と述べた。