市第3魚市場荷さばき施設A棟にイワシのうろこ除去設備を取り付け/八戸市

うろこの除去設備を取り付ける作業に臨む関係者=29日、八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟
うろこの除去設備を取り付ける作業に臨む関係者=29日、八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟
八戸市は29日、市第3魚市場荷さばき施設A棟で稼働率向上を目的に、新たにイワシの水揚げに対応するためのうろこの除去設備を取り付けた。数回の試験運用後に本格稼働させる考えだが、当初の設計になかった機能だけに効果は未知数だ。関係者からは単価の安.....
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 八戸市は29日、市第3魚市場荷さばき施設A棟で稼働率向上を目的に、新たにイワシの水揚げに対応するためのうろこの除去設備を取り付けた。数回の試験運用後に本格稼働させる考えだが、当初の設計になかった機能だけに効果は未知数だ。関係者からは単価の安いイワシを高度な衛生管理が特長のA棟で扱うことへの疑問の声も漏れる。[br] 設備は「ホッパー」(容量30トン)と呼ばれる魚の容器に取り付けられ、底にたまるうろこを、ざるのような器具で受ける仕組み。千葉県のイワシの加工業者が導入している設備を参考に、地元の産業機械製作会社が手掛けた。A棟にあるホッパー4基のうち2基に設置。器具やホース、ポンプ、加工料といった関連経費は約92万円という。[br] 現状では試作の色合いが濃く、うろこをこし取る作業は手動だ。市は今後、漁船の協力を得て試験的な水揚げを行いながら、必要に応じて改良を加え、夏以降の盛漁期に備えることにしている。[br] A棟はサバ専用施設だが、今回の増設で市は、八戸港で近年増えているというサバにイワシが混じる「混獲」の水揚げへの対応を想定。イワシ単独の取り扱いも視野に入れる。[br] 市水産事務所の間英昭副所長は「これまで受け入れていなかった混獲を対象とすることで、稼働率向上につながれば」と説明。本年度中に水産庁へ提出する改善計画にも、一連の取り組みを盛り込む方針だ。[br] 生鮮だけでなくミール(魚粉)にも使われるイワシは魚価が安い。魚体も弱く、A棟の水揚げの際にダメージを負う可能性もある。複数の漁業関係者は「A棟で水揚げする意味があるのか」と口をそろえる。[br] 市側は「今の八戸港で数量の主流になりつつあるイワシを、いつまでも取り扱わないのはどうか」と導入の意義を強調している。[br] A棟を巡っては2012年の運用開始以降、稼働率が極端に低迷し、赤字分を市の一般会計から穴埋めする状態が続いている。うろこの除去設備を取り付ける作業に臨む関係者=29日、八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟