二戸市の南部せんべい製造販売業「小松製菓」(小松豊社長)は、南部せんべいの栄養機能食品「バリバリ元気」を開発した。新型コロナウイルス感染症流行下においしく健康に良い食品を提供しようと、本来新商品開発には半年~1年掛かるところを、約1カ月半で完成させた。同社によると、南部せんべいの栄養機能食品を全国販売するのは初めて。7月7日から販売する。[br] 商品は、定番の落花生と金ゴマにカルシウムやビタミンD、1枚当たり約100億個の乳酸菌、水溶性食物繊維「イヌリン」を練り込んだ。[br] 岩手県では現時点で新型コロナの感染者は確認されておらず、県土が広いことや風土などさまざまな要因が推測されている。青谷耕成執行役員は「感染者ゼロは食べ慣れた地元食材が何か影響しているのではないかと考え、栄養機能食品をつくって社会に貢献できればと思った」と開発の背景を語る。[br] 同社は2014年にも栄養機能食品のせんべいを試験的に生産したが、南部せんべい本来のおいしさを引き出せず、売り上げが伸び悩んだ。今回は味や食感を維持しつつ、栄養素の配合バランスにもこだわった。[br] 小松社長は「昨今の食べ物は軟らかい傾向にあり、特に若年層は堅いものを食べられなくなりつつある。商品名には、よくかんで食べましょう―というメッセージも込めた。食べた人が少しでも元気になればうれしい」と話した。発売に先立ち同社は24日、市に千袋を寄贈した。[br] 商品は1袋7枚入りで230円(税込み)。同社の直営店や通信販売、岩手、青森両県の一部スーパーでも販売する。