三沢基地内での感染確認から1週間/「軍事上の秘密」理由に明かされない情報も

米軍関係者の感染確認に関する第一報を受け、緊急の会議に臨む小桧山吉紀三沢市長(右から2人目)ら=17日、市役所
米軍関係者の感染確認に関する第一報を受け、緊急の会議に臨む小桧山吉紀三沢市長(右から2人目)ら=17日、市役所
米軍三沢基地で軍関係者の新型コロナウイルス感染が明らかになり、24日で1週間がたった。感染者らは隔離され、青森県や三沢市は米軍の情報から市内に感染が広がる可能性はない、と判断。市や同基地、航空自衛隊三沢基地の連絡体制が機能し、情報が適時発信.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 米軍三沢基地で軍関係者の新型コロナウイルス感染が明らかになり、24日で1週間がたった。感染者らは隔離され、青森県や三沢市は米軍の情報から市内に感染が広がる可能性はない、と判断。市や同基地、航空自衛隊三沢基地の連絡体制が機能し、情報が適時発信され、市民生活は早い段階から落ち着いている。一方、感染者や濃厚接触者の詳細など「軍事上の秘密」を理由に明かされない情報もあり、市民の胸の内はすっきりとは晴れていない。[br] 市や米軍三沢基地によると、15日に国外から同基地に到着した一時在留部隊の軍関係者数人に、陽性反応を確認した。さらに、米国発の米政府チャーター機で同基地に同日着いた軍関係者をPCR検査したところ、数人の感染が判明。感染者はいずれも基地内で隔離された。基地外には出ていない。[br] 米軍による感染確認の公表は17日と20日。同基地は市などに陽性反応確認を伝達、公式フェイスブック(FB)に英文で掲載した。[br] 市は直接の連絡やFB上の情報を基に、報道機関や市ホームページ、ケーブルテレビなどを通じて市民に発信。一連の問題では「米軍の情報提供がとても早い」と、危機管理を重視した対応を評価する。[br] 半面、同基地は感染者の性別や年齢、濃厚接触者の国籍や居住地を明かしていない。新型コロナについて、米国防総省は安全保障上、軍の運用に影響が出る恐れがあるとして、世界各地に展開する米軍基地や部隊ごとの感染者数を公表しない方針を掲げている。[br] 市は「軍事上の秘密が理由ならば仕方ない」と理解を示す。一方、基地で働く従業員関係者は約1400人とされ、基地外から通う人もおり、市内の女性会社員(42)は「日本人に濃厚接触者がいないか知りたい」と吐露する。[br] 同基地は今回、いずれも第一報を積極的にFBに載せ、公共的な発信に努めたが、市民からは「インターネットに英語で出されても分からない」などの声もあり、全て市民に届いていないのが現状だ。[br] 基地の街に暮らす市民は長年、基地内の情報について市に大きく頼っており、市は市民の不安の払拭(ふっしょく)に向け、情報発信を続ける考えを示す。米軍関係者の感染確認に関する第一報を受け、緊急の会議に臨む小桧山吉紀三沢市長(右から2人目)ら=17日、市役所