子ども食堂、高校生の手で 工大二高生が開催目指して奮闘

ドライブスルー形式で訪れた希望者に食材を手渡す八戸工大二高の生徒=5月30日、八戸市
ドライブスルー形式で訪れた希望者に食材を手渡す八戸工大二高の生徒=5月30日、八戸市
地域に笑顔を届けたい―。八戸工大二高2年の生徒18人が、全国でも珍しい高校生による子ども食堂を開こうと奮闘している。新型コロナウイルスの影響で各地の子ども食堂が軒並み休止に追い込まれるなど逆風を受けながらも、専門家を招いての学習や福祉イベン.....
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 地域に笑顔を届けたい―。八戸工大二高2年の生徒18人が、全国でも珍しい高校生による子ども食堂を開こうと奮闘している。新型コロナウイルスの影響で各地の子ども食堂が軒並み休止に追い込まれるなど逆風を受けながらも、専門家を招いての学習や福祉イベントのボランティアなど、できることから始め、「高校生版子ども食堂」の実現に向け、一歩一歩前へ進む。[br] 同校では総合的な学習の一環として、生徒それぞれが興味のあるテーマを基に探求学習に取り組む。子ども食堂をテーマにした生徒たちは当初、八戸地域の実践団体の下で体験学習を重ね、最終的に自分たちなりの子ども食堂を開くことを目標とした。だが、新型コロナの影響で予定は軒並み中止となった。[br] 力を借りたのが、「子ども食堂推進プロジェクトin八戸」代表で、子ども食堂の運営に詳しい八戸学院大健康医療学部の佐藤千恵子准教授。5月26日には同校に招いて講義をしてもらい、子どもの貧困の現状や地域における子ども食堂の役割などを学んだ。[br] 同30日には、佐藤准教授の紹介で、同市のNPO法人ワーカーズコープが長者公民館で実施している「ちょうじゃこども食堂」の活動を手伝った。休止中の子ども食堂に代わり、支援団体や協賛企業の応援を受け、全国で展開される「フードパントリー」という地域住民に無料で食材を提供する活動に触れた。[br] ボランティアとして参加した生徒たちは、キャベツやタマネギ、パスタや米など約90食分の食材を事前予約していた地域住民にドライブスルー形式で手渡した。困窮者に限定せずに、地域や世代間交流の場としての役割も担う子ども食堂の存在意義を再認識し、自分たちが手掛ける子ども食堂を思い描いた。[br] 秋元理沙さん(16)は「受け取ってくれた人みんなが笑顔になってうれしかった。これからの活動に生かしたい」と充実感をにじませた。千田琴音さん(16)も「たくさんの人を笑顔にできる子ども食堂を作りたい」と意欲を話した。[br] 佐藤准教授によると、高校生が手掛ける子ども食堂は全国的にも事例がなく画期的だという。生徒たちの取り組みについて「まずは体感してもらうことが大事。活動を通して自分たちなりの『高校生版子ども食堂』を作り上げてほしい」と期待を込めた。ドライブスルー形式で訪れた希望者に食材を手渡す八戸工大二高の生徒=5月30日、八戸市