青森県は15日までに、2017年度県民経済計算をまとめた。国内総生産(GDP)の都道府県版に相当する県内総生産は、名目で前年度比1・5%減の4兆4432億円、物価変動などを考慮した実質は2・4%減の4兆2935億円。経済成長率は名目、実質とも2年連続のマイナス成長となった。3次産業は堅調に推移したものの、野菜の卸売価格の低下や製造業の原材料費の高騰で1、2次産業が減少したことが響いた。[br] 雇用者報酬や財産所得、企業の利潤などを合計した県民所得は3兆1833億円(前年度比2・3%減)。雇用者報酬と財産所得は増加したが、民間企業の利益が減ったため企業所得は減少した。県民1人当たりの所得は249万円(1・1%減)で、国の水準を100とした場合の県の水準は78・1(3・6ポイント減)に落ち込んだ。[br] 県内総生産(名目)を産業別で見ると、1次産業は2133億円(8・5%減)。根菜類など野菜の価格低下に加え、リンゴの販売数量の減少で農業が振るわず、水産業でもホタテガイのへい死などで減少した。[br] 2次産業は、9843億円(6・4%減)。製造業では、食料品の原材料となるサバやリンゴが不足したほか、電子部品・デバイスで原材料価格が高騰したことでコストが増加。建設業では、大型工事が終了したことにより全体を引き下げた。[br] サービス業を中心とした3次産業は3兆2672億円(0・6%増)とほぼ横ばい。不動産業や自動車整備・機械修理業などが好調だった。[br] 県統計分析課の田澤謙吾副参事は「原材料費や人件費などのコスト高のあおりを受け、数値としてはマイナス成長となった。ただ、日本全体の回復基調に合わせ、経済は動いていたので、実態はそこまで悪くなかった」と分析した。