再びにぎわう八戸駅に 駅員の内村さんコロナ収束願う

早く自由に旅行ができるように―。特製啓発ポスターを制作し、利用者に新型コロナウイルスへの対策を呼び掛ける内村美由紀さん=5月下旬、JR八戸駅
早く自由に旅行ができるように―。特製啓発ポスターを制作し、利用者に新型コロナウイルスへの対策を呼び掛ける内村美由紀さん=5月下旬、JR八戸駅
早く自由に旅行ができるように―。東北新幹線や八戸線などを管轄するJR東日本盛岡支社管内の各駅では、少しでも早い新型コロナウイルスの収束を願って駅員が自作の啓発ポスターや横断幕を張り出し、利用者に向けて感染拡大防止の対策を呼び掛けている。八戸.....
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 早く自由に旅行ができるように―。東北新幹線や八戸線などを管轄するJR東日本盛岡支社管内の各駅では、少しでも早い新型コロナウイルスの収束を願って駅員が自作の啓発ポスターや横断幕を張り出し、利用者に向けて感染拡大防止の対策を呼び掛けている。八戸駅でも同駅員で新幹線ホーム係の内村美由紀さん(35)らが、再び笑顔で多くの利用客と会える時を夢見ながらホームに立ち続けている。[br] 外出自粛要請が出された今年の春の大型連休。例年なら多くの利用客でごった返す同駅は静けさに包まれていた。4月24日~5月6日の東北新幹線盛岡―八戸間の利用者数は前年同期比95%減の約1万8千人。それでも毎時上下1本ずつ、ほぼ空席の新幹線が八戸を発着していた。[br] 「しょうがないことと分かっていても、誰もいない、誰も降りないホームで案内アナウンスをするのはさみしいし、悔しかった」と内村さんは振り返る。[br] 4年前、旅行業の会社を辞め、社会人採用でJR東日本に入社した。同駅では3年目の勤務だが「連休中に改札を通る人は一日数人。昨年のにぎわいを思えば、信じられない光景だった」。[br] 5月中旬、青森や岩手で緊急事態宣言が解除され、徐々に利用者は増え始めたが、県境をまたぐ往来は自粛を求められ、駅構内での観光地や観光商品のポスターの掲示は控えられた。[br] 早く日常を取り戻すために―。八戸ならではの啓発ポスターを掲示しようと、内村さんが中心となって駅員お手製のポスターや横断幕を制作した。[br] ポスターには「私たちは今できる準備をして、お客さまをお待ちしています」「みんなの相手を思いやる気持ちに感謝」などと、紋切り型の文章にならないよう配慮された手書きの文面を掲載。3月にやむなく中止された八戸線全線開通90周年記念イベントの記念ロゴマークと「八戸からはじめよう」の文言も添えられた。[br] 同月下旬、全国で緊急事態宣言が解除され、スーツケースを引いて改札を通る利用者の姿が戻ってきた。内村さんは「かつての活気には程遠いが、お客さまが増えてきているのはうれしい」としつつも、「われわれも含め、第2波、第3波への警戒を緩めてはいけない」と気を引き締める。[br] 12月には東北新幹線八戸―新青森開業10周年、来春は大型観光キャンペーン「東北ディスティネーションキャンペーン(DC)」が控える。二戸駅や新青森駅でも各駅員の特製ポスターが掲示され、利用者に対策を呼び掛ける。[br] 「今はじっと我慢の時」。再び多くの利用客でにぎわう日がくることを信じて日々の業務に励む。早く自由に旅行ができるように―。特製啓発ポスターを制作し、利用者に新型コロナウイルスへの対策を呼び掛ける内村美由紀さん=5月下旬、JR八戸駅