新型コロナでネット通販のニーズ高まる/外出自粛を背景に市場活況

インターネット通販で注文のあった黒ニンニクなどの商品を箱に詰める「オフィス・カワムラ」のスタッフ=2日、八戸市
インターネット通販で注文のあった黒ニンニクなどの商品を箱に詰める「オフィス・カワムラ」のスタッフ=2日、八戸市
新型コロナウイルスの感染拡大で市民の外出機会が減ったことを背景に、インターネット通販のニーズが高まっている。外食を控えて自宅で過ごす時間が増えたため、お取り寄せグルメを中心に通販市場は活況。シニア層の利用も広がっており、感染収束まで“巣ごも.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大で市民の外出機会が減ったことを背景に、インターネット通販のニーズが高まっている。外食を控えて自宅で過ごす時間が増えたため、お取り寄せグルメを中心に通販市場は活況。シニア層の利用も広がっており、感染収束まで“巣ごもり消費”のトレンドは続く見通しだ。北奥羽地方の事業者もネットビジネスを強化し、オンラインショップの売り上げを伸ばした。コロナ禍で消費行動が変化する中、新たな事業戦略で販路開拓を進めている。[br] 八戸市の「オフィス・カワムラ」は、自社加工の黒ニンニクをはじめ、青森ヒバオイルや馬油などを複数のオンラインショップで販売している。特に黒ニンニクは売り上げ全体の7割弱を占め、健康食品としてシニア層から高い支持を集める。[br] 同社は全国の地方新聞社でつくるネット通販サイト「47CLUB」にも出店。参加企業の中でトップの売り上げを達成し、2019年の「こんなのあるんだ!大賞」のショップ部門で最優秀賞を獲得した。[br] 新型コロナの感染拡大を受け、免疫力を高める黒ニンニクには注文が殺到。一時的に品切れになったほどの人気だ。川村雅道社長は「顧客のリピート率は5割を超え、『体に良くておいしい』と反響がある。コロナの影響でネット通販を利用する人が多くなっているようだ」との見方を示す。[br] 八戸市の食品製造・卸業「味の海翁堂」では4、5月の間、ネット通販の売り上げが例年より2~3割アップした。槙一郎社長は「自宅向けの食品の売れ行きがいい」と説明。ゴールデンウイークを含めて外出自粛が続いたこともあり、「地場産品を青森県外の家族に送ったり、帰省できなかった人が注文したりするケースも多い」と話す。[br] 県産ゴボウを使用して「青森ごぼう茶」を製造、販売する三沢市の「Growth(グロウス)」。販売の主力に位置付ける百貨店の催事はコロナ禍でほぼ中止になったが、須藤勝利代表は「ネット通販でマイナス幅を抑えられている。早い段階から通販が増えると見込んで準備を進めていたことが大きい」と語る。[br] 新郷村ふるさと活性化公社のネット通販では、定番商品の飲むヨーグルトに加え、肉加工品の売り上げが伸長した。中でも、受注生産の新商品「ザ★ワイルドベーコン」は人気が急上昇し、3カ月待ちの状況という。角岸秀伸事務局長は「ネット通販に適した新商品も考えたい」と意欲的だ。[br] 八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)「VISIT(ビジット)はちのへ」は、ホームページ内に開設したオンラインショップで八戸圏域8市町村の特産品を販売している。今後も順次、取扱商品を増やし、地元事業者の販路拡大をサポートする方針だ。[br] 物産振興課の木村聡課長は「新型コロナで人の往来が制限され、ネット通販の需要が高まった。オンラインショップに力を入れて八戸圏域の特色を発信していきたい」と強調した。インターネット通販で注文のあった黒ニンニクなどの商品を箱に詰める「オフィス・カワムラ」のスタッフ=2日、八戸市