感染予防と経済活動両立へ 「3密」回避、「ソーシャルディスタンス」取り入れ/北奥羽地方

八戸プラザホテルは独自のガイドラインを作成し、円卓や座席の間隔を空けた会食利用を提案する=27日、八戸市
八戸プラザホテルは独自のガイドラインを作成し、円卓や座席の間隔を空けた会食利用を提案する=27日、八戸市
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除を受け、北奥羽地方では感染予防と経済活動の両立を目指す動きが広がっている。宴会場を備えるホテルは「3密」を回避し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の考え方を取り入れた会合や会食のプランを.....
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 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除を受け、北奥羽地方では感染予防と経済活動の両立を目指す動きが広がっている。宴会場を備えるホテルは「3密」を回避し、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の考え方を取り入れた会合や会食のプランを考案。座席の間隔を広げ、料理を個別提供に切り替えるなど、企業・団体の総会シーズンに合わせて需要を喚起する。少人数に制限した営業スタイルは、繁華街の飲食店でも導入が進む。コロナ危機に見舞われた地元経済の回復に向け、各業界が段階的に事業活動の立て直しを図っている。[br] 八戸プラザホテルは国や青森県の方針を踏まえ、宴会場の利用に関する独自のガイドラインを作成した。3密にならないように座席配置を工夫するほか、料理は大皿から取り分ける方式をやめて個別に提供する。[br] 会食や宴会で用いられる円卓の会場では、テーブル同士を離して2メートルの間隔を確保。従来は一つの円卓に8~10人が座っていたが、5人に減らして隣の人との間隔を1・2メートルに広げる。[br] 長テーブルの場合は、隣や対面の人との間隔をそれぞれ1・2メートルほど空け、向かい合わせにならないような席の配置にも対応する。[br] 同ホテルは大小10以上の宴会場があり、県内有数の規模を誇る。例年であれば6月は企業・団体の総会が多い繁忙期だ。ガイドラインに沿った会場設営では、収容人数は従来の半分程度になるが、佐々木隆治総支配人は「今は宴会の利用がほぼない。適切な感染対策を示して受け入れを進めたい。ホテル業界に客足が戻ってきてほしい」と話す。[br] 三沢市のホテルグランヒルつたやは4月末以降、営業を自粛していたが、6月1日に宿泊と集会スペースの受け入れを再開する。宴会では円卓に座る人数を少なくするほか、人数によっては従来より広めの会場の利用を勧める。結婚披露宴に関しては、お色直しの回数や招待者数を顧客と相談するなど、3密状態を防ぐ対策を検討する。[br] 同2日は宿泊の予約が入っている。竹林秋雄代表は「再開のメッセージにすぐ反応があり、ありがたい。お客さまが安心して過ごせるよう努めたい」と述べ、一丸となって衛生管理と安全を徹底する決意を示す。[br] 長引く外出自粛で、八戸市中心街の料理店や居酒屋も疲弊している。八戸屋台村「みろく横丁」は、感染予防を重視した営業ルールを設定。県外から訪れた人には身元や滞在先、健康状態などを確認するほか、各店舗の座席を半分程度にして3密状態を避けている。 本来は観光客や出張客の来店を歓迎し、店主と客の距離が近い屋台スタイルの空間がみろく横丁の特徴。だが、その魅力を“犠牲”にしてでも感染抑止策を講じ、新型コロナに対応した営業方法を模索している。[br] 肉料理をメインに提供する「宇八」は、客席前に飛沫防止シートを設置した。荒井貴司店長は「地元客が安心して利用できるように対応したい」と強調する。[br] 市内の割烹や洋食店などが加盟する八戸料飲組合の木村健一理事長(みろく横丁出店者代表)は「各料理店で感染予防に取り組み、小規模な会食利用から受け付けている。一歩ずつ、以前のような活気を取り戻していきたい」と語った。八戸プラザホテルは独自のガイドラインを作成し、円卓や座席の間隔を空けた会食利用を提案する=27日、八戸市