青森県は2021年度に「青い森林業アカデミー」を開設し、意欲あふれる林業の担い手の就業を支援する。県林業労働力確保支援センターが運営主体。受講者は、体験重視のカリキュラムを通して林業の基礎を身に付ける。研修期間は1年間で募集定員は10人程度。県は「青森の林業を引っ張る新たな人材が出てきてほしい」と新規就業者の増加に期待を込める。[br] 県内の林業就業者は減少傾向にある。国勢調査によると、1980年は6624人だったのに対し、最新データの2015年は1792人と最盛期の約3割に縮小。就業者全体の65歳以上の割合を示す「高齢化率」は80年の3%から15年には22%となり、高齢者の割合が広がっている。[br] 一方、35歳未満の「若年者率」は近年の国と県の対策で人材確保が進み、18%と過去最高の水準に。ただ就業前に林業を学んだり、触れたり機会がほとんどなく、若手の育成が業界の課題になっていた。[br] 林業アカデミーのカリキュラムは現場実習8割、座学2割程度で、受講先は県産業技術センター林業研究所(平内町)。講座内容は安全面の教育を徹底する方針で、林業に必要な資格の習得も目指す。4月に開講式を行い、開講日は月~金曜日の週5日の予定で、集中的に学ぶ。[br] 入学方法は、高校の推薦か一般選考を通過すること。入学の対象年齢は18~43歳で、選考時期は20年度卒業予定の高校生が10月中、一般は12月中をめどとしている。受講年間の学費は11万8800円。開講期間の1年間は、国の事業「緑の青年就業準備給付金」を通じ受講者1人に最大150万円が支給される。[br] 県林政課の及川正顕課長代理は「作業の機械化が進み、以前よりも仕事はしやすくなっている」と林業の労働環境が改善されている点を強調し、「やる気のある人、興味のある人は大歓迎する」と受講を呼び掛けている。[br] 林業アカデミーに関する問い合わせは、県林政課企画グループ=017(734)9507=へ。