栄養満点ランチ、企業に出張提供/八戸の障害者就労施設

ランチとして提供された野菜たっぷりの汁物をよそうヤフー八戸センターの従業員ら=八戸市
ランチとして提供された野菜たっぷりの汁物をよそうヤフー八戸センターの従業員ら=八戸市
八戸市の多機能型サービス事業所「ベル・エポック」(下田中隆哉所長)の利用者が、同市の情報通信会社「ヤフー八戸センター」に出張し、ランチメニューの提供に取り組んでいる。調理、販売など一連の行程に精神障害や知的障害のある同施設の利用者が携わって.....
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 八戸市の多機能型サービス事業所「ベル・エポック」(下田中隆哉所長)の利用者が、同市の情報通信会社「ヤフー八戸センター」に出張し、ランチメニューの提供に取り組んでいる。調理、販売など一連の行程に精神障害や知的障害のある同施設の利用者が携わっており、知識や技術を身に付けると同時に、一般就労に向けて自信を付ける貴重な機会となっている。[br] 同事業所は社会医療法人松平病院(北條敬理事長)が運営し、障害者の自立支援と社会参画を目的に、弁当製造やクリーニング業務を手掛ける。就労支援の一環として、利用者は同法人が運営する同市新井田のカフェレストラン「茶居花」で仕込みや調理補助、接客に従事。同市三日町の「マチニワ」にキッチンカーを出店して弁当販売を行うなど、一般就労に向けて経験を積んでいる。[br] 一方、ヤフー八戸センターでは、従業員の健康意識啓発へ、栄養バランスの取れた昼食を無料提供する「ランチ施策」を計画。担当者が茶居花側に野菜メニュー中心のランチ提供を要望し、2019年4月から本格的にスタートした。[br] 毎週火曜と金曜の2回、野菜をふんだんに使った汁物や副菜を、希望する従業員80~100人に提供。施設利用者は対面でセンター従業員とやり取りし、地域社会と関わってきた。[br] 事業所側にとってはランチ施策が利用者の工賃に反映され、働きがいの創出にもつながるなど、就労支援に大きな役割を果たしているという。[br] 下田中所長は「障害のある人と健常者がお互いを身近に感じ、理解し合うことができる。今回の活動をきっかけに、障害のある人の活躍の場を広げていきたい」と共生社会の実現に向けて力を込める。[br] 新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言発出後は、感染予防対策として同センター従業員の多くが在宅勤務だったため、ランチ施策を休止していたが、今月19日に一部を再開。利用者が調理などに携わったランチがあらかじめパック詰めされ、出社した社員向けに提供された。[br] 同センターの従業員アンケート結果では、7割以上がランチ施策を通じて「健康に対する考え方や食べ物の選び方に変化があった」と回答。センターのランチ施策担当者は「この1年間で従業員の健康意識向上に結びついている」と手応えを強調していた。ランチとして提供された野菜たっぷりの汁物をよそうヤフー八戸センターの従業員ら=八戸市