海で発生した事件や事故に迅速に対応するための118番。2019年に第2管区海上保安本部(塩釜)へ寄せられた通報のうち、99・3%が間違いやいたずらなど業務に関係しない無効な電話だった。海上保安庁が00年に118番を導入して以降、無効電話の割合が高い状態が続いており、2管本部は適切な利用を呼び掛けている。[br] 2管本部は八戸、青森の両海上保安部など東北地方の7海保のほか、航空基地や署で構成。東北地方で発信された通報は2管本部の運用司令センターで受信する。[br] 2管本部によると、19年の118番通報件数は2万468件で、うち無効な電話は2万318件に上った。内訳を見ると、無言電話が37・9%、着信だけですぐに切れる電話が33%、間違い電話が26・9%、いたずら電話は1・2%だった。[br] こうした間違い、いたずら通報の割合は緊急通報を受ける他機関に比べて突出して多い。青森県警本部が19年に受けた4万4860件の110番のうち、無効電話は6612件で14・7%だった。[br] 一方、通報が海難救助につながった例も。久慈沖で昨年10月、久慈市漁協所属の釣り船が転覆した事故では、市漁協が118番通報。船長1人が溺死したものの、乗っていた釣り客5人は近くにいた漁船に救助され、無事だった。[br] 間違い電話の場合、消費生活に関する電話相談ダイヤルの消費者ホットライン「188」や時報の「117」と誤る人が多いという。担当者は「業務に支障を来せば初動対応が遅れ、事態悪化につながる可能性もある」と指摘する。[br] 2管本部は引き続き、118番の認知度向上ため周知活動に取り組む方針。