「手を触れずにドア開けられます」作業療法士・笹原さん考案 ネットで作り方公開

作業療法士ならではの視点で感染予防策を提案する笹原秀平さん=4月、五戸町の東北メディカル学院
作業療法士ならではの視点で感染予防策を提案する笹原秀平さん=4月、五戸町の東北メディカル学院
手で触れなくても開けられるドアノブを―。五戸町の東北メディカル学院(佐藤都留雄学院長)作業療法学科専任教員で、作業療法士の笹原秀平さん(35)が、新型コロナウイルスの感染予防策として、ドアノブを握らなくても腕だけで簡単にドアを開けられる器具.....
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 手で触れなくても開けられるドアノブを―。五戸町の東北メディカル学院(佐藤都留雄学院長)作業療法学科専任教員で、作業療法士の笹原秀平さん(35)が、新型コロナウイルスの感染予防策として、ドアノブを握らなくても腕だけで簡単にドアを開けられる器具を考案し、インターネットで作り方を公開している。日用品を使って手軽に作れるのが特徴で、体が不自由な人の生活動作をサポートする「自助具」の知識を応用した。笹原さんは「職場や家庭などで一人でも多くの人に活用してもらいたい」と話す。[br] 感染拡大が続く新型コロナウイルスは、不特定多数の人が直接手で触れるドアノブやタブレットを介して、感染が広がる事例が報告されている。[br] 現場の悩みを知った笹原さんは、3Dプリンター関連事業を世界的に展開する、マテリアライズ(ベルギー)が無料公開する「ハンズフリー開閉装置」の3Dプリンター用データを参考に、身近にあるもので、誰でも簡単にドアノブの代用器具を作る方法を模索した。[br] 初めはギプスの材料で作ってみたが失敗。試行錯誤の末、100円ショップで手に入るブックスタンドを結束バンドでドアノブに固定する方法にたどり着いた。ドアノブに腕を置いて軽く押すだけで、手を触れずに扉を開けられる。さらに、取っ手タイプのドアハンドル用に傘の柄を利用し、同じく腕の力だけで開けられる道具も考え出した。[br] 感染予防に追われる医療や福祉の現場には、リハビリを必要とする患者も多くいる。「病院、福祉施設では作業療法士や理学療法士が最前線で闘っている。同じ作業療法士として役に立ちたい」と笹原さん。[br] 病気や事故で体が不自由になっても、生活に必要な動作を自分の力でできるようにサポートする方法を考える作業療法士ならでは発想で、日常の課題の改善に取り組み、奮闘する仲間たちにエールを送る。[br] 考案した器具は、誰でも簡単に作れ、取り付けられるのがポイント。病院や福祉施設、家庭や学校などで広く活用してもらえるように、作り方や設置方法を解説する動画を同学院の公式ツイッターなどで公開しているという。[br] 笹原さんは「感染症対策はもちろん、作業療法士の仕事について関心を持ってもらう、きっかけになれば」と期待を込める。[br] 動画は同学院のホームページやQRコードから視聴できる。      作業療法士ならではの視点で感染予防策を提案する笹原秀平さん=4月、五戸町の東北メディカル学院