青森県によると、2019年に県内で報告されたツキノワグマの出没件数は443件で、前年と比べ43件増加した。16年から4年連続で年間400件超と高水準となっている。山菜採りシーズンを迎え、県はクマの被害に遭わないよう県民に注意を呼び掛けている。[br] 出没件数の内訳は、足跡や爪痕の確認を含めた目撃件数は37件増の413件、農作物の食害は4件増の25件、人的被害は2件増の5件だった。[br] 自治体別の出没件数は深浦町が最多の94件。むつ市93件、弘前市42件、大間町39件と続いた。八戸市は14件だった。[br] 農作物の被害は三戸町や田子町、東北町を含む15市町村で、リンゴやデントコーン、スイカなどで確認された。被害面積は6・7ヘクタール、損害額は1610万円に上り、18年と比べ3倍以上に増加した。[br] 人的被害は、十和田市内の山中で同市の70代男性が顔面を引っかかれるなどのけがを負った。山中での被害がほとんどだった。[br] 県はクマの被害対策として、▽出没状況を確認する▽音を出しながら歩く▽早朝や夕方、霧の深い日は山に入らない▽ふんや足跡を見つけたらすぐに引き返す―を求めている。万が一、クマに遭遇した場合は「クマの動きに注意しながら、ゆっくりとその場を離れてほしい」と注意を促している。[br] 県自然保護課の松村浩二課長は「この時期のクマは冬眠から目覚めて、食べ物を求めているため危険だ。音を出しながら歩くなど、遭遇しないための対策をしてほしい」と話した。