こども食堂バスが始動 十和田/食材配布、病院へ食事支援も

医療従事者への感謝のメッセージを掲げ、十和田市立中央病院に食材を届けたこども食堂バス
医療従事者への感謝のメッセージを掲げ、十和田市立中央病院に食材を届けたこども食堂バス
十和田市の有志団体「十和田こども食堂実行委員会」がクラウドファンディング(CF)で購入資金を集めた「こども食堂バス」が走り始めた。新型コロナウイルスの影響で、しばらくの間は本来の目的である食事の無償提供はできないが、バスを使って食材の無料配.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 十和田市の有志団体「十和田こども食堂実行委員会」がクラウドファンディング(CF)で購入資金を集めた「こども食堂バス」が走り始めた。新型コロナウイルスの影響で、しばらくの間は本来の目的である食事の無償提供はできないが、バスを使って食材の無料配布を実施。また、感染症と最前線で戦う市立病院の医療スタッフに対する食事支援も行った。実行委員長の水尻和幸さん(43)は「本来の形とは違うが、できる限り食を届けたい」と語る。[br] 実行委は昨年から活動し、十和田市とおいらせ町で計5回のこども食堂を開催、総勢約400人の親子に無料で食事を提供した。[br] ▼予想以上の反響[br] 青森県内では子ども食堂の普及が遅れており、県内全市町村を巡って活動を浸透させるため、中古バスを使った“移動式”を発案。昨年12月から今年1月までCFで購入資金を募ったところ、目標金額200万円の倍となる412万円が全国から集まった。[br] バスは予定していた中型から大型にグレードアップ。車内を改造し、4人掛けのテーブル席4つと調理スペース、ミニライブラリーを設けた。車外でも展開できるよう、3メートル×6メートルのテント4張りも購入した。[br] 今月5日がデビューの予定だったこども食堂バスは、新型コロナの影響で開催内容を変更。子どもがいる家庭にカレーの食材を無料配布することにした。[br] 食材費はCFの資金を充当。事前に受け付けた予約はすぐにいっぱいになり、企画に賛同する事業所からも食材が寄せられ、子どもがいる家庭100世帯にカレー食材計500人分を配布した。[br] ▼医療従事者にエール[br] 水尻さんは、5日に向けた準備を進める一方で、実行委のメンバーでもある医療関係者から、感染症患者が入院している市立中央病院スタッフの奮闘ぶりを耳にしていた。[br] 「少しでも助けになりたい」と、水尻さんが地元の小関麺興商事に相談したところ、快く麺500食分を譲り受けることができた。[br] 1日、バスの車体に「市民の命を守るため最前線で働く医療従事者の皆様ありがとうございます」とのメッセージを張り、同病院に食材を届けた。[br] 同日はちょうど金曜日。毎週金曜日正午に拍手で医療従事者に感謝を伝える、全国的な取り組みの「フライデーオベーション」を送ると、スタッフの中には涙を流す人もいたという。[br] 水尻さんは、「医療スタッフは買い物に行く時間もない中、病棟で頑張ってくれている。今後も定期的に食材を届けたい」と話す。日持ちして家でも職場でも食べられるカップ麺や菓子、パン、栄養ドリンクなどを想定している。[br] 実行委では、病院に食材を寄付したい市民がいれば取りまとめ、一括して病院に届ける考えだという。[br] 問い合わせは、同実行委=電話0176(27)1815=へ。医療従事者への感謝のメッセージを掲げ、十和田市立中央病院に食材を届けたこども食堂バス