「どこに怒りをぶつけたら」「掛ける言葉が見当たらない」―。[br] 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、史上初の中止を余儀なくされた全国高校総合体育大会(インターハイ)。全国高体連が中止を発表した4月26日以降、会員制交流サイト(SNS)では、現役高校生やその保護者、かつて部活動に励んだ大人らが、決定を受けた複雑な心境を吐露した。「前を向いて」と高校生を励ます声がある一方、「今はつらくて決定を受け入れられないだろう」と当事者の思いを代弁する人も。匿名だからこそ発信される無念さや悲しみが、インターネット上で交錯した。[br] デーリー東北新聞社公式ツイッター上には、ネット速報が公開された26日午後5時半ごろから5月1日午後4時までに、314件の返信が寄せられた。[br] 「諦めますよ。はっきり申し上げてください。引退して、次の新しいことをしたいので」。サッカー部に所属するという少年は、インターハイ中止の一報に悲観した。年末には全国高校選手権も控えるが、開催は疑問視している。引退の時期も不透明で、目標を失った喪失感でいっぱいだ。ある高校生は「コロナが収まったら、どこかの機会で走れますように、それまでは今自分ができることをやります」と必死で前を向いた。[br] 子どもの頑張りを近くで見ていた保護者たちも胸を痛めた。「インターハイを夢見た息子をずっと応援してきました。なんといって声を掛けてあげればいいのか…。今は見守ることしかできないです」。高校生の多くが高総体で“引退”。力を出し切った上で、その後の受験勉強や就職活動へ気持ちを切り替える。これまでの努力の成果を発表する場を失ったことから「納得できる終わりの場を用意してあげて」と代替大会を望む声も多かった。[br] 青森県内では、ほとんどの学校が部活動を自粛している。県高総体の代替大会については、各競技専門部が6月末までに開催の可否を判断し、開催する場合は6月15日から8月24日までの期間に実施する方針。