青森県は1日、看護師4人の新型コロナウイルス感染が確認された十和田市立中央病院について、院内の感染対策を調査した結果、「院内感染があった」と結論付けた。また、看護体制や物品管理の手順など改善すべき約10項目を指摘し、助言指導したことを明らかにした。[br] 県は4月30日、感染管理を専門とする看護師2人と疫学調査を行う災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の統括者1人を派遣し、院内の感染管理の現状調査を行った。[br] 県は、クラスター(感染者集団)が発生した同市の認知症グループホームの入院者を病院の感染病棟で直接ケアしていた看護師3人のいずれかに感染。その後、最初に陽性が判明した看護師へ感染が広がった―と見ている。[br] 病院によると、県が助言指導したのは▽看護師1人の感染者への対応時間を短縮する▽ウイルスが残っている可能性がある区域から退出するときは、より意識して周辺をアルコール消毒する―など。病室の換気が徹底されていなかった点も含め、県が改善を促した。[br] 院内の感染対策について県感染症疫学コーディネーターの大西基喜医師は「基本的な対応はできていた」と評価しつつ、「細かい点が積み重なったことで(感染が)発生してしまったのでは」と見方を示した。[br] 最初に感染が確認された看護師を除き、院内外の計75人をPCR検査し、72人が陰性だった結果から「院内や市中で蔓延(まんえん)している可能性は低い」とした。[br] 一方、病院の丹野弘晃事業管理者はこの日、コメントを発表。「院内感染が発生した」との認識を示して改めて陳謝した上で、「県から指摘を今後に生かしたい」と体制の改善に取り組む意向を示した。