【新型コロナ】逆境に負けない! 飲食店結集し「おべんとう市」/八戸

「おべんとう市」で販売される特製弁当のイメージ(写真はコラージュ。各参加店舗提供)
「おべんとう市」で販売される特製弁当のイメージ(写真はコラージュ。各参加店舗提供)
この逆境を協力して乗り越えたい―。新型コロナウイルス感染拡大の余波で、経営環境が悪化した北奥羽地方の飲食店14店舗が9日から、八戸市中心街に特製弁当を持ち寄って販売する「おべんとう市」をスタートさせる。八戸で感染者が確認されて以降、夜を中心.....
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 この逆境を協力して乗り越えたい―。新型コロナウイルス感染拡大の余波で、経営環境が悪化した北奥羽地方の飲食店14店舗が9日から、八戸市中心街に特製弁当を持ち寄って販売する「おべんとう市」をスタートさせる。八戸で感染者が確認されて以降、夜を中心に客足が落ち込んだ地元の外食業界。「嘆いてばかりでは駄目」「ワンチームで一致団結する」。いつもはライバル同士でも、今は前例のない事態に立ち向かう仲間。コロナ禍に負けず、新たなプロジェクトで窮地からの突破口を探る。[br] おべんとう市は、参加店舗が八戸市三日町の「デリカフェペルチ」にそれぞれの特製弁当を持ち寄り、毎週木曜、土曜日に個数限定で販売する取り組み。販売場所を1カ所に集約することでコスト削減も図る。[br] ペルチのオーナー松坂直子さんが発起人となり、飲食業界のネットワークを生かしてプロジェクトへの参加を呼び掛けたほか、会員制交流サイト(SNS)で発信された情報を見た飲食店関係者も集まった。[br] 現在、参加が決まっているのは八戸、三戸、南部、階上、洋野の5市町にある居酒屋や日本料理店、カフェといった業態の14店舗。弁当の種類もバラエティーに富んでいるのが特徴だ。各店舗が毎回弁当を持ち寄るわけではなく、本業との兼ね合いを見ながら参加する。今後、賛同する飲食店を増やし、移動販売の可能性も模索する方針。[br] 松坂さんは「業界を挙げて事業を継続し、店や雇用を守ることが大事。食品供給業者なども巻き込み、地元経済が回るように考えていく」と強調。「さまざまな弁当を選べる楽しみも提供したい」とPRする。[br] 新型コロナウイルスの感染拡大により、地元飲食業界は苦難が続く。学校の一斉臨時休校に端を発した自粛ムードで年度末の書き入れ時を失い、八戸で感染者が続出した影響で市民の外食控えに拍車が掛かった。[br] ある参加店舗の店主は「八戸で感染者が確認されたその日のうちに、予約のキャンセルが相次いだ。その時に、これは長い戦いになると覚悟した」と明かす。[br] 新たなアイデアで窮状を打開しようと、メンバーが前を向いて動き出したプロジェクト。八戸市の「炉端酒場だいつ」の石井大地店主は「弁当の販売は初めてだが、お店のおいしい料理を家庭に届けたい。自宅の食事に付加価値を生み出せれば」と意欲を示す。[br] 三戸町の「割烹白山」の本庄孝浩専務は「地域の飲食店が生き残るための第一歩。つながりを大切にし、“復活”の時を見据えて団結したい」と話す。 初日の9日は午前11時半から弁当を販売する予定。「おべんとう市」で販売される特製弁当のイメージ(写真はコラージュ。各参加店舗提供)