青森労働局は30日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を理由に、青森県内の1事業所が今春採用予定だった県内高校生3人の内定を取り消していたと発表した。同労働局は同社へ内定取り消しの回避を働き掛けているほか、3人に対して公共職業安定所(ハローワーク)を通じ、再就職の支援を行っている。[br] 新型ウイルスに関連した県内事業所の内定取り消しが確認されたのは初めて。青森労働局の請園清人局長は「内定取り消しは、あってはならないこと。他の企業にも取り消しを行わないよう、働き掛けたい」と述べた。[br] 同労働局によると、内定を取り消したのは飲食業の1社。会社名と地域は明らかにしていない。[br] 企業が内定を取り消した場合、職業安定法の施行規則により、所管の公共職業安定所に通知する必要がある。同社は、感染拡大に伴う人出の減少で客足が落ち、雇用が維持できなくなったと説明しているという。[br] 厚生労働省のまとめでは、27日現在、新型ウイルス関連の被害で内定を取り消されたのは、青森分の3人を含め全国で32人が確認されている。[br] 国は今月に入り、経済団体や事業団体に対し、内定取り消しを行わないよう要請している。青森労働局も国と連動し25日までに県経営者協会、県中小企業団体中央会、県商工会議所連合会、県商工会連合会の4団体に、雇用の維持を働き掛けている。[br] 一方、30日時点で新型ウイルスに関連した解雇や非正規労働者の雇い止め、倒産は報告されていない。[br] 地元企業への就職を目前にしながら高校生の入社がかなわなかったことに関し、県教委学校教育課の担当者は「残念なことだが、企業の事情もある。必要なことがあれば労働局などと情報共有したい」と述べた。