【新型コロナ】相次ぐ春イベント中止に業者や主催者落胆「いつまで続くのか」

新型コロナウイルスの影響で春まつりやイベントは軒並み中止や延期となり、各主催団体や出店業者らは苦悩している(写真はコラージュ)
新型コロナウイルスの影響で春まつりやイベントは軒並み中止や延期となり、各主催団体や出店業者らは苦悩している(写真はコラージュ)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北奥羽地方で春まつりやイベントの中止が相次いでいる。春のイベントは4月下旬から5月上旬の大型連休に集中しており、書き入れ時の出店者を直撃。露店業者などは、1~2月の冬のイベントでも、インバウンド(訪日外国.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北奥羽地方で春まつりやイベントの中止が相次いでいる。春のイベントは4月下旬から5月上旬の大型連休に集中しており、書き入れ時の出店者を直撃。露店業者などは、1~2月の冬のイベントでも、インバウンド(訪日外国人旅行客)減少の影響を受けており、「一体いつまで続くのか」「このままでは生活が立ちゆかない」と見えない出口に悲痛な声を上げる。一方、各種イベントの主催者団体にも落胆が広がっている。[br] 北奥羽地方では当初、春まつりの実施可否について、「検討中」や「規模を縮小して開催」としていた主催団体が多かったが、23日に八戸市で青森県内初となる新型コロナウイルス感染症の患者が確認されたことで状況が一変。ここ数日の間にイベントの中止や延期が相次いで決まった。[br] 「とても苦しい」と切実に話すのは、イベントで中華まんやクレープなどの露店を運営する三沢市の田村商会代表の田村義章さん(53)。十和田市で1~2月に行われた「十和田湖冬物語」に出店したが、その時はちょうど中国本土で新型ウイルスが猛威を振るっており、中国人観光客が激減。売り上げは例年の6割ほどに落ち込んだという。[br] そして、春の行楽シーズンを前に日本国内での新型ウイルス感染拡大が追い打ちをかけた。田村さんは例年、各地の春まつりに加え、館鼻岸壁朝市やサッカーJ3ヴァンラーレ八戸のホーム戦などでも出店しているが、軒並み中止や延期に追い込まれた。[br] 田村さんは「このままでは売り上げが見込めず、生活が苦しくなる。一体いつまでこんな状況が続くのか」と危機感を募らせ、「一刻も早く終息してほしい」と祈るように話した。[br] 八戸公園で4月29日~5月6日に開催予定だった「はちのへ公園春まつり」も中止となり、飲食物を販売する出店もない。[br] 同公園指定管理者の三八五流通(八戸市)は、出店者との調整のほか、チラシやポスターの準備を進めていたが、同市で新型ウイルスが確認されたために開催を断念。4月1日に開園予定だった、こどもの国の開園も見送ることが決まった。同社指定管理部の伊藤幹男次長は「地域の元気のためにも何とか実施したかった。非常に残念」と肩を落とした。[br] 八戸市鮫町の蕪島周辺で4月18、19の両日に予定されていた「蕪嶋まつり」は、社殿を焼失した蕪嶋神社の再建後、初のまつりとなるはずだったが、地元の各団体で組織する実行委員会が中止を決定した。[br] 開幕前日の17日には蕪島物産販売施設「かぶーにゃ」がオープンを控えるなど、春の行楽シーズンに合わせて多様な取り組みが計画されていただけに関係者の落胆は大きい。[br] 鮫観光協会の杉本健一会長は「新社殿の再建で今年は例年以上に多くの人でにぎわうと期待していた。地元団体による出店の売り上げは今後の地域活性化に役立てる予定だったのに」と無念さをにじませた。[br] 県南と岩手県北のイベント中止情報は、デーリー東北新聞社ホームページの特設サイトに掲載している。新型コロナウイルスの影響で春まつりやイベントは軒並み中止や延期となり、各主催団体や出店業者らは苦悩している(写真はコラージュ)