【新型コロナ】衛生品、人手「持たない…」 八戸市内の介護施設

普段は棚いっぱいにマスクなどが保管されているが、必要な物品が納入されずストックが底をつき始めている=11日、八戸市の寿楽荘
普段は棚いっぱいにマスクなどが保管されているが、必要な物品が納入されずストックが底をつき始めている=11日、八戸市の寿楽荘
新型コロナウイルスの国内での感染拡大が続く中、重症化のリスクが特に高い高齢者が利用する介護施設では、感染防止策への対応に追われている。八戸市内の介護施設でも、外部からウイルスが入ってくることを警戒し、面会制限や職員の検温、業者の立ち入り制限.....
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 新型コロナウイルスの国内での感染拡大が続く中、重症化のリスクが特に高い高齢者が利用する介護施設では、感染防止策への対応に追われている。八戸市内の介護施設でも、外部からウイルスが入ってくることを警戒し、面会制限や職員の検温、業者の立ち入り制限、こまめな消毒を徹底するなど厳戒態勢を敷く。ただ、慢性的な供給不足に陥っているマスクや消毒液の在庫が底をつき始めている施設もあり、感染対策に必要な物資の不足を懸念する声も上がり始めている。[br] 同市是川の養護老人ホーム長生園では、家族の面会や業者の出入りを最小限にとどめ、施設内に立ち入りが必要な場合は消毒、検温、手洗いうがいを求めている。季節性のインフルエンザに備えて、マスクや消毒液は多めに確保しているが、寺下信雄園長は「入荷が期待できない中、このまま長引けばもたない。利用者にも窮屈な思いをさせてしまい心苦しい」と備品切れを懸念する。[br] 同市市川町の特別養護老人ホーム寿楽荘でも来訪者に検温やマスク着用を求めるなど、外部との接触を警戒。だが、マスクや消毒液に加え、おむつ交換に必要な使い捨て手袋や、おしり拭きなど日常的に使う物資も不足している上に納入時期にめどが立たず先行きが不透明な状況だ。[br] 訪問介護やデイサービスなど外部との接触が多い職員が優先的にマスクを使えるように配慮しているといい、田名部泰喜施設長は「嘱託医の指導を受けながら、マスクの使用を必要最低限にするなど節約をして何とかやりくりをしている」と苦悩を明かす。[br] 同市石堂1丁目の介護老人保健施設サンライフ豊寿苑では、職員が自分専用の手指消毒液を常に携帯してこまめに消毒をするなど感染予防に腐心。さらに小中学校の急な休校措置により、休暇を取らざるを得ない職員もいるなど現場の人手不足も深刻だという。[br] 利用者や家族の不安を和らげようと、施設内の様子を撮影した写真を玄関先のモニターに映しているほか、利用者から家族へのメッセージカードも作成した。清水養子副施設長は「こういう状況だからこそ、利用者や家族が安心して過ごせるように工夫をしていきたい」と強調する。[br] 工場設備の衛生管理を手掛ける同市の「アールテック」は2日と6日に、自社で製造した食品添加物系の殺菌剤を県内の介護福祉施設など100施設以上に無料で提供。提供先からは「消毒は毎日使うのでありがたい」「在庫が切れそうだったので助かった」といった声が聞かれた。担当者は「消毒液が足りなくて困っている施設が多く、反響の大きさに驚いた」と話していた。普段は棚いっぱいにマスクなどが保管されているが、必要な物品が納入されずストックが底をつき始めている=11日、八戸市の寿楽荘