【震災9年】相次ぐ災禍乗り越えて…三鉄・久慈―普代間、再開まで1週間 

台風19号の影響で不通となった、三陸鉄道リアス線陸中宇部―久慈間の復旧工事を行う作業員=2月26日、久慈市長内町
台風19号の影響で不通となった、三陸鉄道リアス線陸中宇部―久慈間の復旧工事を行う作業員=2月26日、久慈市長内町
昨年10月の台風19号で被災し、不通となった三陸鉄道リアス線の久慈―普代(26・1キロ)が14日に運行再開される。東日本大震災で甚大な被害を受け、JR東日本から引き継いだ宮古―釜石間を加え、1年前に新たな出発を果たした同線。その半年後に再び.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 昨年10月の台風19号で被災し、不通となった三陸鉄道リアス線の久慈―普代(26・1キロ)が14日に運行再開される。東日本大震災で甚大な被害を受け、JR東日本から引き継いだ宮古―釜石間を加え、1年前に新たな出発を果たした同線。その半年後に再び不運に見舞われたが、少しずつ運行区間を延ばしてきた。1週間後に最北区間が復活を遂げれば、残るは陸中山田―釜石間のみとなる。「早く走らせてほしい」という沿線住民らの声に応えようと、同社の社員たちは20日の全線復旧に向けて気を引き締めている。[br] 久慈―普代間は台風で過去最高の雨量を観測し、路盤やトンネルなどで被害が相次いだ。同社によると、現在は路盤や軌道の復旧工事が続き、作業は10日までの予定。震災から9年の節目となる11日からは軌道の異常を調べるモーターカーを走らせ、12日から列車の試運転を始めるスケジュールとなっている。[br] 再びレールが敷かれるなど、毎日目に見えるように復旧作業が進む。通学で陸中野田―久慈間を利用する岩手県立久慈高2年の﨑廣圭佑さん(17)は「列車に比べると代行バスは不便。復旧はうれしい」とほっとした様子。[br] 「(三鉄は)大事な私たちの足。列車が走るのを待ち焦がれている」と話すのは、久慈市内へ買い物や病院通いで利用する、野田村野田の女性(77)。「震災、台風、新型コロナウイルスと大変なことが続くが、無くなるととても困る。三鉄には頑張って欲しい」とエールを送る。[br] こうした地域住民らの期待を背に、同社は万全の準備を進めている。昨年3月に運転士として独り立ちし、久慈―宮古間を担当していた古舘龍太さん(21)は「一人前の運転士として、これからという時に多くの区間が不通となり、つらかった」と振り返る。[br] この4カ月間、復旧を終えた区間から順次運行を再開させてきた三鉄。その度に待ちわびた住民たちが歓迎する姿があった。宮古駅駅務係の千代川らんさん(20)は「活気が戻ったようでうれしかった。早期に全線開通のめどがたち、うれしい」と笑顔を見せた。[br] 14日は久慈発午前5時3分の宮古行きの下り列車が一番列車となる。当初、久慈駅でセレモニーが予定されていたが、新型コロナウィルス感染防止のため、規模を縮小するという。台風19号の影響で不通となった、三陸鉄道リアス線陸中宇部―久慈間の復旧工事を行う作業員=2月26日、久慈市長内町