【新型肺炎】「震災時より厳しい…」青森県内経済に打撃

全国的な新型コロナウイルスの感染拡大により、青森県内でも人の移動や消費が鈍くなり、企業が対応に追われている(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅のタクシープール、営業時間の変更を知らせる店の張り紙、岩手県北自動車の高速バス)
全国的な新型コロナウイルスの感染拡大により、青森県内でも人の移動や消費が鈍くなり、企業が対応に追われている(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅のタクシープール、営業時間の変更を知らせる店の張り紙、岩手県北自動車の高速バス)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、青森県内でも企業の経済活動に余波が広がっている。県内で感染者は確認されていないが、自粛ムードを背景に人の移動や消費が鈍くなり、経済的な影響は多方面に連鎖。タクシー業界からは「東日本大震災の時より厳しい」と.....
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、青森県内でも企業の経済活動に余波が広がっている。県内で感染者は確認されていないが、自粛ムードを背景に人の移動や消費が鈍くなり、経済的な影響は多方面に連鎖。タクシー業界からは「東日本大震災の時より厳しい」と悲鳴が上がる。感染抑止対策として、一部の商業施設は営業時間の短縮に踏み切った。学校の臨時休校措置により、子育て世代の働き手が多い企業では人手確保に腐心。被害終息の先行きは見えず、経済の停滞を危惧する声が強まっている。[br] 3月は歓送迎会シーズンだったが、団体客の宴会が軒並み中止となり、繁忙期と見込んでいたタクシー業界は乗客の減少に苦しむ。八戸市タクシー協会は「送別会や謝恩会などがなくなり、特に夜間の売り上げが低迷している」と明かす。[br] 八戸駅のタクシー乗り場で利用客を待っていた男性運転手は「観光客はもちろん、出張客もかなり少なくなった」。別の業界関係者は「先行きが不透明。いつまで続くか分からない不安がある。震災の時よりも影響は大きい」と苦悩する。[br] 八戸など県内と首都圏を結ぶ岩手県北自動車(盛岡市)の高速バスも利用が落ち込んでいる。市民の移動控えに加え、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが15日まで臨時休園中のため、春休みに合わせて旅行を計画していた学生や若者らのキャンセルが増えたとみられる。[br] 同社は急きょディズニーシー発着便を東京・新宿発着に変えて運行。同社南部支社の高橋学支社長は「高速バスと貸し切りバスにキャンセルが出た。引き続き車内消毒に取り組み、利用しやすい環境を整えたい」と話す。[br] 不特定多数の人が集まる商業施設では、感染防止の観点から営業時間を短くする動きが広がる。おいらせ町のイオンモール下田は15日まで、テナント店が入る専門店街の営業を3時間短縮し、午前11時~午後8時とする。イオン直営のスーパーに時間の変更はない。[br] 八戸市沼館4丁目のショッピングセンター「ピアドゥ」でも、エリア内の複数店舗が時短営業に。運営会社の八戸臨海開発(同市)によると、ヤマダ電機テックランド八戸店は当面の間、終了時間を1時間短縮して午前10時~午後8時に変える。スーパースポーツゼビオピアドゥ八戸店は5日から今月いっぱい、午前11時~午後8時に変更し、店頭の張り紙で告知した。[br] 一方、学校が臨時休校になったため、小さい子どもを育てる共働き世代は、休みを取得するケースが増えそうだ。会社側は持続的な企業運営に向け、人手確保対策の検討を進めている。[br] 県内の小売企業の担当者は「会社の方針として、小さい子どもがいる従業員は優先的に休ませるようにした」と説明。女性の働き手が多い別の小売企業の担当者は「現時点で大きな影響は見られないが、休校が長引けば従業員が働けるか心配だ」と懸念を示した。全国的な新型コロナウイルスの感染拡大により、青森県内でも人の移動や消費が鈍くなり、企業が対応に追われている(写真はコラージュ。上から時計回りに、八戸駅のタクシープール、営業時間の変更を知らせる店の張り紙、岩手県北自動車の高速バス)