【貨物船沈没】六ケ所沖で八戸の漁船衝突 13人不明、1人救助

調査のため「第8富丸」に乗り込む八戸海上保安部の職員=1日午前11時20分ごろ、八戸市
調査のため「第8富丸」に乗り込む八戸海上保安部の職員=1日午前11時20分ごろ、八戸市
2月29日午後10時15分ごろ、六ケ所村の泊漁港から東約12キロの沖合で、八戸市の富丸秋山漁業が所有する沖合底引き網漁船「第8富丸」(138トン)とベリーズ船籍の貨物船「GUO XING 1(グオシンワン)」(1989トン)が衝突したと、貨.....
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 2月29日午後10時15分ごろ、六ケ所村の泊漁港から東約12キロの沖合で、八戸市の富丸秋山漁業が所有する沖合底引き網漁船「第8富丸」(138トン)とベリーズ船籍の貨物船「GUO XING 1(グオシンワン)」(1989トン)が衝突したと、貨物船から第2管区海上保安本部(塩釜)に連絡があった。貨物船は約20分後に沈没し、1日午後10時現在、外国人乗組員14人のうち13人が行方不明。第8富丸の乗組員15人の命に別条はない。貨物船の右舷部と漁船の船首が衝突したとみられ、海上保安庁と海上自衛隊などが行方不明者の捜索を続けるとともに、事故原因を調べている。[br] 同保安本部などによると、貨物船の乗組員は24~52歳のいずれも男性で、中国人7人、ベトナム人6人、フィリピン人1人で、多くが海に投げ出された。このうち、1人のベトナム人男性(33)は近くを航行していた漁船に救助された。男性は救命胴衣を着用しており、「他の乗組員も着ていた」と話している。[br] 貨物船は鉄くず3150トンを積み、八戸から津軽海峡を通って韓国に向かう途中だった。船の積載量に問題はなかったという。[br] 漁船は八戸機船漁協(八戸市)所属で、日本人13人とインドネシア人2人が乗船。関係者によると、29日午後8時ごろまで津軽海峡でタラやカレイの漁をし、その後に八戸へ戻る予定だった。[br] 衝突の衝撃で船首がひしゃげ、塗装が剥がれたものの、自力で航行し、1日午前11時ごろに八戸港に帰港。漁労長の男性(73)が頭部に軽いけがをしたが命に別条はない。[br] 事故当時、現場海域は風が強く、波は約2・5メートルのうねりがあった。漁船と貨物船を後方から見ていた別の漁船の船員によると、両船とも風と波にあおられてバランスが不安定な状態で航行していたという。[br] 同保安本部は1日未明から、巡視船や航空機で行方不明者の捜索を開始。海自第21航空群(千葉県館山市)に災害派遣を要請したほか、第1管区(小樽)や第3管区(横浜)などの各海保も特殊救難隊やジェット機などで捜索を続けているが、行方不明者の発見には至っていない。[br] 国の運輸安全委員会は1日、船舶事故調査官2人を八戸港に派遣。河野守調査官は報道陣に「漁船の傷などを調べたい」と述べ、2日午前から本格的な調査に入る考えを示した。[br] 同保安本部は実況見分や乗組員への事情聴取を進める。調査のため「第8富丸」に乗り込む八戸海上保安部の職員=1日午前11時20分ごろ、八戸市