復興の歩み、感謝を世界に のだ千年の松、NYの震災追悼式参加へ

坂本さん夫妻が営む「苫屋」で囲炉裏を囲むのだ千年の松のメンバー。右が久美子さん=野田村
坂本さん夫妻が営む「苫屋」で囲炉裏を囲むのだ千年の松のメンバー。右が久美子さん=野田村
防潮林の植樹活動を続けてきた野田村の住民団体「のだ千年の松」(坂本久美子代表)は3月8日、米国ニューヨーク市の日系人会館で開かれる東日本大震災の追悼式に参加する。震災から9年。伝えたいのは、津波による壊滅的な被害から力強く復興を進める野田村.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 防潮林の植樹活動を続けてきた野田村の住民団体「のだ千年の松」(坂本久美子代表)は3月8日、米国ニューヨーク市の日系人会館で開かれる東日本大震災の追悼式に参加する。震災から9年。伝えたいのは、津波による壊滅的な被害から力強く復興を進める野田村の姿と、震災後に世界中から寄せられた温かな支援への感謝だ。[br] 追悼式は、ニューヨーク市近郊で暮らす東北・北海道出身者でつくる「NYほくほく会」が2012年から毎年開催している。今回は現地の岩手県人会を通じて誘いがあった。[br] のだ千年の松は、同村日形井地区で南部曲がり屋の民宿を営む坂本久美子さん(61)、充さん(60)夫妻が中心となって設立。津波で失われたクロマツ防潮林の再生に向け、苗木の植樹活動を続けてきた。[br] 震災後、被災地には海外からも多くの支援が寄せられた。以前から感謝の気持ちを伝えたいと考えていた久美子さんが「全ての国を回ることはできないが、世界中に発信する良い機会」と参加を決めた。[br] 渡米するメンバーは、坂本さん夫妻のほか、植樹活動に携わってきた、村地域おこし協力隊の山口光司さん(25)、秋田県藤里町の公務員小林あずみさん(37)、盛岡市の自営業金野大介さん(47)ら。村内在住の高校生1、2年生の女子2人も加わった。[br] 若い世代に体験してほしい―と久美子さんの思いに賛同し、旅費を自腹で捻出してそれぞれ参加する。小林さんは「自分は被災していないが、皆さんのサポートに回り、しっかりと見届けたい」と語る。[br] 当日は100人以上が参加する予定。坂本さんが被災地の現状を報告した後、高校生2人は小学生当時の震災の記憶や、中学時代の活動を紹介する。会場では植樹活動の映像も流す。盛岡市のシンガーソングライター松本哲也さんは震災をテーマに2曲を歌う。[br] 「津波はたくさんのものを奪ったが、その後、多くの人からいっぱいの優しさをもらった。ようやくありがとうが言える」と久美子さん。海を越えて届ける被災地からのメッセージが、記憶の風化を防ぐことにもつながると信じている。坂本さん夫妻が営む「苫屋」で囲炉裏を囲むのだ千年の松のメンバー。右が久美子さん=野田村