リンゴ畑フクロウが守る ネズミぱくり/弘前

 フクロウの子ども=2020年5月、青森県弘前市(弘前市相馬地区地域おこし協力隊提供)
 フクロウの子ども=2020年5月、青森県弘前市(弘前市相馬地区地域おこし協力隊提供)
青森県弘前市のリンゴ畑に設置された巣箱に、今年もフクロウがやってきた。雪解け後に樹皮や根を食い荒らすリンゴの木の天敵・ネズミをぱくりと食べて駆除する農家の味方だ。5月に巣立つフクロウの子どもは地域の癒やしとなっている。 母フクロウが、夕方か.....
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 青森県弘前市のリンゴ畑に設置された巣箱に、今年もフクロウがやってきた。雪解け後に樹皮や根を食い荒らすリンゴの木の天敵・ネズミをぱくりと食べて駆除する農家の味方だ。5月に巣立つフクロウの子どもは地域の癒やしとなっている。[br][br] 母フクロウが、夕方から朝に畑をはうネズミを捕り、箱で待つひなに数匹ずつ与える。リンゴ畑を営む山崎隆穂さん(74)は「今年も順調に育って元気な姿を見せてほしい」と顔をほころばせた。[br][br] 弘前市などによると、フクロウは元々、リンゴの太い木に自然にできた空洞で子育てしていた。しかし1970年代ごろから、面積当たりの収穫量を増やすため、大きくなりすぎない木での栽培が普及。穴の数が減り90年代以降、フクロウは姿を見せなくなった。[br][br] 山崎さんはフクロウを呼び戻そうと、30年以上前から巣箱を手作りし設置してきた。「近所の子どもたちに見せてあげたい」との思いだったが、ネズミの被害が徐々に深刻化してくると、山崎さんの畑で被害が小さいことが注目されるようになった。[br][br] フクロウによる食害防止効果は地元・弘前大の研究でも示されている。農学生命科学部の東信行教授によると、フクロウのいるリンゴ畑ではネズミの数が平均で約6割減少するという。[br][br] 山崎さんの下には巣箱の注文が舞い込むようになり、地域おこし協力隊と共に、これまで100個以上を各地に届けた。[br][br] 東教授はこうした取り組みについて「生態系のバランスを取り戻し、子どもたちに環境の大切さを伝える意義がある」と評価している。 フクロウの子ども=2020年5月、青森県弘前市(弘前市相馬地区地域おこし協力隊提供)