コーヒーで久慈に恩返しを 協力隊員・田端さん定住決意

自慢のキッチンカーの前で笑顔を見せる田端涼輔さん=4月、久慈市
自慢のキッチンカーの前で笑顔を見せる田端涼輔さん=4月、久慈市
「帰りません、僕はここにいます」―。2018年4月から久慈市山根地区を拠点に地域おこし協力隊として活動した田端涼輔さん(26)が、3月末で3年間の任期を終えた。任期中は、市中心部から離れた山あいの地区にカフェをオープンし、市民の交流の場を創.....
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 「帰りません、僕はここにいます」―。2018年4月から久慈市山根地区を拠点に地域おこし協力隊として活動した田端涼輔さん(26)が、3月末で3年間の任期を終えた。任期中は、市中心部から離れた山あいの地区にカフェをオープンし、市民の交流の場を創出。キッチンカーでのコーヒー販売にも乗り出した。ゼロからのスタートだったが、持ち前のチャレンジ精神で道を切り開いてきた田端さん。今後も久慈に定住し「地域の人が笑顔になるコーヒー屋」を目指すと意気込んでいる。[br][br] 田端さんは津市出身。18年4月に山根地区の古民家に移り住んだ。協力隊としての目標は「山根でカフェを開店する」。久慈市内のカフェを手伝いながら経験を積み、独学で知識を身に付けた。19年7月に古民家を改装してカフェをオープン。20年10月にキッチンカーを導入した。[br][br] 任期中は各イベントに参加して住民との親睦を深め、地区の魅力を発信した。市内の小、中学校でサッカーを指導したほか、コーラスグループにも加わり、交流の輪を積極的に広げた。[br][br] 4月25日、田端さんは久慈春まつりの会場でステージに登場。退任と3年間の成果を市民に報告した。活動を振り返り「カフェの知識がなくても3年間こつこつやったら、ある程度の形になった」と挑戦することの大切さを訴えた。最後には久慈での定住を宣言。カフェ継続をアピールした。[br][br] 田端さんが経営するカフェは「YAMANECO COFFEE LAB」。こだわりのコーヒーや、手作りのベーグルなどが好評を博す。カレーやナポリタンなどの軽食も提供する。キッチンカーはコーヒーの販売が中心で、市中心部のほか洋野町などにも出張する。[br][br] 経営のモットーは「一人一人にそれぞれのコーヒーを」。同じコーヒー豆でも焙煎(ばいせん)度が異なる3種類を活用するなど工夫を凝らす。冬期休業を終え、大型連休中に本格オープンしたカフェではスタッフも増やし、キッチンカーと同時営業している。[br][br] 「地域では人口減少など多くの課題があるが、コーヒーを飲んで少しでも笑顔になったり、カフェでご飯を食べて会話を楽しんでくれたりしたら課題の解決にもつながると思う」。田端さんは、こだわり抜いた店で、地域への恩返しをしたいと考えている。自慢のキッチンカーの前で笑顔を見せる田端涼輔さん=4月、久慈市