農業の新たな担い手に ゆうき青森農協、初のベトナム人職員採用

ゆうき青森農協で初めての外国人職員となったヴー・ディン・ザンさん=3月23日、六ケ所村酪農振興センター
ゆうき青森農協で初めての外国人職員となったヴー・ディン・ザンさん=3月23日、六ケ所村酪農振興センター
東北町のゆうき青森農協は1月、ベトナム人のヴー・ディン・ザンさん(24)を正規職員として採用した。外国人を正規職員に迎えるのは、県内の農協で初めて。人手不足を抱える農業現場ではこれまで、中国人の農業技能実習生を中心に受け入れてきたが、短期的.....
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 東北町のゆうき青森農協は1月、ベトナム人のヴー・ディン・ザンさん(24)を正規職員として採用した。外国人を正規職員に迎えるのは、県内の農協で初めて。人手不足を抱える農業現場ではこれまで、中国人の農業技能実習生を中心に受け入れてきたが、短期的な措置となっていた。将来の担い手確保へ向けた、外国人雇用の先行事例として注目を集めそうだ。[br][br] ヴーさんはベトナムの大学で獣医学を専攻。昨年12月末に来日し、在留期間の優遇や永住許可要件の緩和が受けられる、高度外国人材の高度専門職1号の資格を取得した。[br][br] 同農協では1月下旬ごろから働き始め、同農協が指定管理する六ケ所村の酪農振興センターで、酪農家から乳牛を預かり、繁殖させる業務を担当する。[br][br] 「周りの人たちに教えてもらいながら、仕事を覚えている」と、この2カ月余りを振り返るヴーさん。現在は牛舎の清掃や飼育管理などがメインで、一緒に来日した作業員のグエン・ディン・ロンさん(34)、ハ・キエウ・オアインさん(24)と共に汗を流す。[br][br] 同農協にとって若手職員は貴重な存在だ。同農協らくのう営農センターの佐藤久センター長は「県内で作業員を募集しても若い人の応募がないのが現状。センター内でもベテラン職員が多い一方で、若手がいなくて困っていた」と採用の理由を説明する。[br][br] 同農協では、大学で知識や技能を学んだヴーさんを畜産のスペシャリストとして育成したい考え。同振興センターの鶴ケ崎卓博課長補佐は「まずは基本的な仕事をしてもらっているが、向上心が高い」と熱心な姿勢に目を細める。今後は人工授精師の資格取得を後押しする方針だ。[br][br] 長く活躍してもらうためには、日本の生活環境に慣れることも不可欠となる。過去に留学経験があり、日本語での日常会話に不自由はないというヴーさんの直近の目標は、自動車の国際免許取得。通勤や休日の外出先を広げてもらうため、同農協も支援する。[br][br] ヴーさんは「日本に長く住みたいという希望はある。いろんな資格を取ったり、業務を担当したりして、何でもやってみたい」と意気込む。ゆうき青森農協で初めての外国人職員となったヴー・ディン・ザンさん=3月23日、六ケ所村酪農振興センター