2カ月越しの「ありがとう」 車救出の米軍人に三沢の女性感謝

スティーブン・トバーさん(右)の思いやりのある行動に感謝の気持ちを伝える福田妙子さん=3月26日、おいらせ町
スティーブン・トバーさん(右)の思いやりのある行動に感謝の気持ちを伝える福田妙子さん=3月26日、おいらせ町
2カ月越しの「ありがとう」―。三沢市とおいらせ町との境付近で今年1月、1人の米軍人男性が、道路沿いの縁石と積雪にはまった車を救出、名前も告げずに立ち去った。男性は米空軍の第35整備群整備隊所属のスティーブン・トバー3曹(26)=同町=。当時.....
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 2カ月越しの「ありがとう」―。三沢市とおいらせ町との境付近で今年1月、1人の米軍人男性が、道路沿いの縁石と積雪にはまった車を救出、名前も告げずに立ち去った。男性は米空軍の第35整備群整備隊所属のスティーブン・トバー3曹(26)=同町=。当時現場にいた同市南町3丁目の会社役員福田妙子さん(73)は、米軍の協力を得てトバーさんを見つけ出し、町内で“再会”。雪に覆われた街での心温まる出来事を振り返って感謝を伝え、困っている人を見過ごさない思いやりの精神をたたえた。[br][br] 福田さんらによると、1月9日午後、夫和男さん(79)が代表を務める三沢自動車=同町住吉1丁目=のショールームから顧客の車が道路に出た直後、圧雪路面で滑り、縁石や雪に乗り上げて車線をふさぐ形で動けなくなった。従業員が助け出そうとしていたところ、通り掛かったトバーさんが駆け寄り、ロープを車の下部に付けて自車とつなぎ、引っ張り出した。車の脱出を見届けると、すぐにその場を去った。[br][br] 「なんて素晴らしい心の持ち主だ」。福田さんは当時、トバーさんが車の下に潜ってまで懸命に作業する姿に感動していた。感謝を伝えられなかったのが心残りで、その後は再び近くを通り掛かるのを期待し、ショールームから何度も道路を見ていたという。[br][br] どうしても探してお礼を言いたい―との一心で、知人を介し、米軍三沢基地の第35戦闘航空団に男性の善行や乗っていた車の特徴を伝えると、トバーさんと判明。任務のため1カ月間ほど基地を離れていたこともあり、雪がすっかり溶けた時期での面会となった。[br][br] 「自分のことではないのに、お礼を言うために私を探してくれてありがたい」。3月26日、トバーさんはショールームを訪れ、福田さんに謝意を示した。[br][br] 三沢基地に赴任して2年目。航空機が緊急事態に陥った際に状況を評価し、修理や応急処置を行う任務に就いている。当時は帰宅途中で、すぐに立ち去ったのは言葉の壁を感じていたのと、渋滞が起きていたため交通のじゃまにならないようにとの気遣いからという。[br][br] 「日頃から難局を乗り切るために訓練をしている。あの日も普段の仕事の技術を駆使できた」とトバーさん。「困っている人がいれば手を差し伸べるのは当たり前」と穏やかに語った。[br][br] 福田さんは当日の日記を読み聴かせ、「会えて良かった。本当にありがとう」と、気持ちを伝えられて幸せそうな表情を浮かべた。[br][br] 「今度は、通り掛かった時に福田さんを見つけたら手を振るよ」。トバーさんは帰り際に笑顔を見せた。スティーブン・トバーさん(右)の思いやりのある行動に感謝の気持ちを伝える福田妙子さん=3月26日、おいらせ町