【十和田市長選・解説】信任投票、責任重く

12年ぶりとなった十和田市長選は、自民党の全面支援を受ける現職に、共産党が独自に擁立した新人が挑む構図で、事実上、現職の信任投票の色合いが濃かった。有権者は小山田久氏の3期12年の実績を評価し、市政継続を選択したが、新型コロナウイルス対策や.....
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 12年ぶりとなった十和田市長選は、自民党の全面支援を受ける現職に、共産党が独自に擁立した新人が挑む構図で、事実上、現職の信任投票の色合いが濃かった。有権者は小山田久氏の3期12年の実績を評価し、市政継続を選択したが、新型コロナウイルス対策や地域経済の回復など課題は山積している。有権者の期待を受け、大差で勝利した小山田氏の責任は重く、市民の声に耳を傾けながら丁寧な市政運営が求められる。[br][br] 小山田氏は就任以降、財政健全化に腐心し、堅実で安定感のある行政運営を担ってきた。市議からは「特に批判する要素がない」との声が聞かれる一方、市政運営において、“小山田カラー”がやや薄かった印象は否めない。 [br] 最終的に断念したものの昨年、元大学准教授が出馬表明した際、一部の市民から変化を期待する声が上がったのも事実。長期政権によるマンネリ化を危惧する声もあり、小山田氏は現市政の継続だけでなく、新たな取り組みに挑戦していく姿勢も必要だ。[br][br] 投票率が低調だったことも指摘しておきたい。過去2回無投票が続く中、市政を批判する対抗馬が現れ、市民に選択肢が示されたことは意義があったが、批判票の受け皿になりきれなかった。投票を棄権した有権者の中には一定数、現市政に対する不満や諦めがあったとみるべきだろう。[br][br] 21人中19人が小山田氏を支援した市議会側も、4期目の小山田市政を厳しくチェックし、施策に誤りがあれば、正していかなければならない。