福岡工高統合案に地元が反対 同窓会、商工会などが活動展開

改築工事が進められている岩手県立福岡工業高。同窓会などからは単独校としての存続を求める声が上がっている=12月28日、二戸市 
改築工事が進められている岩手県立福岡工業高。同窓会などからは単独校としての存続を求める声が上がっている=12月28日、二戸市 
岩手県教委の県立高校再編計画の後期計画案(2021~25年度)で統合が計画されている岩手県立福岡工業高を巡り、卒業生や二戸市内企業でつくる団体などが同校の存続を求めて動き出している。昨年12月下旬には、同窓会や市など計6団体が県教委の佐藤博.....
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 岩手県教委の県立高校再編計画の後期計画案(2021~25年度)で統合が計画されている岩手県立福岡工業高を巡り、卒業生や二戸市内企業でつくる団体などが同校の存続を求めて動き出している。昨年12月下旬には、同窓会や市など計6団体が県教委の佐藤博教育長に単独校での存続と、現在ある2学科の維持を求める要望書を提出。関係者からは「二戸地域唯一の工業高校を残してほしい」「地域で学びたい生徒の受け皿がなくなる」といった声が上がる。同窓会などは今後、署名活動も視野に存続を訴えていく考えだ。[br][br] 地域産業を支える人材育成を見据え、計画案には15年度から定員割れが続いている工業系の福岡工と、総合学科を有する一戸を24年度に統合し、県北地方に専門教育の拠点校を整備する案が盛り込まれている。[br][br] 福岡工に現在ある機械システム科と電気情報システム科は工業学科として1学科にまとめられる方向。同校同窓会の中奥孝宏会長は「統合されれば、これまでと同じ学びが維持できず、専門性が薄まってしまうのではないか」と危惧する。[br][br] 計画案が示されたのは20年2月。当初から反対が根強く、「統合は寝耳に水」といった声が聞かれた。反対意見が多い理由の一つには、現在も同校校舎の改築工事が進められていることが挙げられる。[br][br] 総事業費は約26億円。県教委は耐震化のため生徒の安全確保を優先して整備を進めている―とし、統合後も実習などで活用する案を示している。ただ、関係者は「工事が進む現状で統合案が出るのはあまりに唐突。何のための改築なのか」と首をかしげる。[br][br] 長年にわたって工業系の技術を身に付けた人材を輩出してきた同校。要望活動に参加する市商工会の生内雄二会長は「地元企業にとって福岡工の生徒は即戦力だ」と話す。同校が二戸駅に近接して利便性が高いことも挙げ、「地元だけでなく青森県南からも生徒を集められる可能性がある」と強調する。[br][br] 県教委は本年度中に計画を策定する方針。中奥会長は「計画提示から1年ほどで決めてしまうのはいかがなものか。地元の意見を吸い上げて策定してほしい」とし、慎重な判断を求めている。改築工事が進められている岩手県立福岡工業高。同窓会などからは単独校としての存続を求める声が上がっている=12月28日、二戸市