1500年代に田子城を居城とした南部家26第当主信直、27代当主利直の歴史を伝えるため、田子町が制作を進める「歴史の窓風景画」の第2弾が16日までに完成した。第1弾は、現在の田子中の敷地に本丸があったとされる田子城を東側から見下ろした絵だったが、今回は北側から見上げた構図。作画を担当した三戸町在住の画家、田村まさよしさん(76)は「絵と現在の風景を見比べて、当時の雰囲気を知ってもらえれば」としている。[br][br] 町は2019年度から地名や文化財などを示す案内板の再整備事業を進めている。「歴史の窓」は同事業の一環で、作画を田村さん、監修をごのへ郷土館(五戸町)の木村明彦館長(63)が担う。今回の風景画は江戸時代に田子城周辺の状況を描いた「万延絵図」を基本史料とした。[br][br] 12日は田村さんが町役場を訪れ、山本晴美町長に第2弾の完成を報告した。山本町長は「風景画を看板に使って歴史を垣間見ることができる場所を作り、町民や来訪者に町のさまざまな表情を見てもらいたい」と述べた。[br][br] 田村さんは「田子にあった館や歴史についての理解を深め、さらに精度を高めた絵を描けるようにしたい」と意欲を見せた。[br][br] 町は今後、町内に10カ所ほどあった館の想像図や、木村館長が信直、利直親子を取り上げて執筆した歴史小説「NobuとToshi」を題材にした絵などの制作を進める方針。第2弾の絵は田子小敷地内への設置を検討している。