【青森県出身の五輪代表候補紹介】(3・完)野球 外崎修汰(弘前出身)

楽天戦で適時打を放つ外崎修汰=2020年8月14日、埼玉県所沢市メットライフドーム
楽天戦で適時打を放つ外崎修汰=2020年8月14日、埼玉県所沢市メットライフドーム
新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。 1年の延期期間は、.....
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 新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。[br][br] 1年の延期期間は、すでに代表入りを決めていた選手にはモチベーションの維持など大きな課題を与えた一方、代表選考が先送りとなった競技では、再び訪れたアピールのチャンスを生かして五輪の舞台に近づいた選手も少なくない。逆境をものともせず、高いパフォーマンスを維持することで、あらためて地力を見せつけた選手もいる。[br][br] 青森県出身者の中から、団体競技で代表入りを目指す野球の外崎修汰(西武)=弘前市出身=に2020年の戦いぶりや夢舞台に懸ける思いなどを取材した。[br][br]■走攻守全てで勢いを[br] 走攻守の3拍子がそろうユーティリティープレーヤー。プロ6年目の2020年シーズンは所属する西武がリーグ3位に終わり、悔いの残るシーズンとなった。打率は2割4分3厘と例年に比べて控えめだったが、「足にスランプはない」と21盗塁をマーク。新型コロナウイルスの影響で試合数が少なかった中で4季連続の20盗塁の大台をクリアし、プロ通算100盗塁も達成した。[br][br] 万能型の選手であるが故に「走攻守である程度の結果を求められる難しさはある」。一方で「逆に考えれば、全てのプレーでチームに勢いや流れを与えることができる。常にチャンスを探している」と前向きだ。[br][br] 日本代表には17年、19年と2度選出された経験があるが、「まさか自分が選ばれるようになるとは考えもしなかった場所」と笑う。ただ、「あの“場”でしか得られない経験、技術、知識がある。勝負の中にいても、有意義な時間を過ごせる」と両手いっぱいの収穫に選手としての喜びを感じている。[br][br] 代表チームで与えられる役割は、西武とは大きく異なる。西武ではスタメンで中軸、二塁を中心に内野を守るが、代表では外野を守る場面もあり、打線はつなぎ役を任されることが多い。「代表ではどこでも守り、調子の悪い選手の代わりに結果を出すことが重要。一発勝負で失敗は許されない。西武の自分とは全く違う選手になる」と“侍”として日の丸を背負う際の自負がある。[br][br] 故郷のファンを何より大事に思っている。「自分の成績一つで、少しでも元気になってもらえたら、うれしい。自分の頑張りを見て『俺も頑張ろう』と思ってもらえるプレーをしたい」。今夏、大舞台から“アップルパンチ”をふるさとに届けるつもりだ。[br][br]【略歴】とのさき・しゅうた 弘前市出身。1992年12月生まれ。弘前実高―富士大卒。2014年にドラフト3位で西武に入団。17年のアジアプロ野球チャンピオンシップで日本代表に初選出され、大会MVPに輝く。右投げ右打ち。身長177センチ、体重82キロ。内野手。楽天戦で適時打を放つ外崎修汰=2020年8月14日、埼玉県所沢市メットライフドーム