【青森県出身の五輪代表候補紹介】(2)サッカー女子 伊藤美紀(おいらせ出身)

代表候補合宿で元気いっぱいにプレーする伊藤美紀=2020年11月28日、福島県楢葉町のJヴィレッジ
代表候補合宿で元気いっぱいにプレーする伊藤美紀=2020年11月28日、福島県楢葉町のJヴィレッジ
新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。 1年の延期期間は、.....
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 新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。[br][br] 1年の延期期間は、すでに代表入りを決めていた選手にはモチベーションの維持など大きな課題を与えた一方、代表選考が先送りとなった競技では、再び訪れたアピールのチャンスを生かして五輪の舞台に近づいた選手も少なくない。逆境をものともせず、高いパフォーマンスを維持することで、あらためて地力を見せつけた選手もいる。[br][br] 青森県出身者の中から、団体競技で代表入りを目指すサッカー女子の伊藤美紀(INAC神戸レオネッサ)=おいらせ町=に、2020年の戦いぶりや夢舞台に懸ける思いなどを取材した。[br][br]■キープ力向上、自信に[br] 昨秋、女子日本代表「なでしこジャパン」候補の国内合宿に初招集された。これまでは「どこか漠然として遠い存在だった」という五輪が一気に身近になった。「今は『自分が代表入りするんだ』という強い気持ちがある」。並々ならぬ思いで五輪イヤーを迎えた。[br][br] 新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛期間が、転機となった。今春、チームは全体練習を控えたが、その間、以前からコーチ陣に指摘されていたボールキープ力を磨いた。[br][br] 小柄なため、体格の良い選手との競り合いなどでボールをキープしきれないことも多く、上のステージでプレーするに当たっての課題だった。今春から神戸の指揮を執るゲルト・エンゲルス監督から、キープ力向上へ細部まで助言を受けたことで奮起。近所の公園などで地道な自主トレに取り組んだ。[br][br] その結果「意識せずともボールが体の下にしっかり収まるようになった」。プレー全体の安定性が増し、今季はリーグ戦で全試合スタメン出場を果たした。「チームメイトからも『ボールを預けても安心する』と言ってもらえるようになった」。一皮むけたプレーが日本代表関係者の目に留まり、五輪への道が開けた。[br][br] 「1プレーのレベルが高く、毎日試合をしているようだった」という代表合宿。ボランチとして自身に求められる縦パスやサイドチェンジ、相手の攻撃の芽を摘む守備など、「持ち味の質を高めないといけない」と気を引き締めた。一方で自信も深めた。磨いたボールキープ力など「通用するところもあった」。[br][br] 五輪出場が現実味を帯び、「もっと自分の強みを伸ばす」と意欲満々。新たな一年へ「サッカーを楽しみ、チームはリーグV、自分も五輪出場を果たせればいいな」と気合十分だ。[br][br] 【略歴】いとう・みき 1995年9月生まれ。おいらせ町出身。八戸市の女子チーム「ナカスポ」で競技を始めた。町立下田中から女子サッカーの名門・常盤木学園高(宮城)を経て、2014年からINAC神戸レオネッサ所属。ポジションはMF。身長150センチ。代表候補合宿で元気いっぱいにプレーする伊藤美紀=2020年11月28日、福島県楢葉町のJヴィレッジ