【青森県出身の五輪代表候補紹介】(1)7人制ラグビー 本村直樹(八戸出身)

強化試合後、観客席に向かって手を振る本村直樹=2020年11月29日、埼玉県営熊谷ラグビー場
強化試合後、観客席に向かって手を振る本村直樹=2020年11月29日、埼玉県営熊谷ラグビー場
新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。 1年の延期期間は、.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 新型コロナウイルスの影響で延期を余儀なくされた東京五輪・パラリンピックはいよいよ今夏、開かれる予定だ。一時は代表活動、選手選考大会などが軒並み中止や延期を強いられたが、本番が近づくにつれて、代表争いも再び熱を帯びてきた。[br][br] 1年の延期期間は、すでに代表入りを決めていた選手にはモチベーションの維持など大きな課題を与えた一方、代表選考が先送りとなった競技では、再び訪れたアピールのチャンスを生かして五輪の舞台に近づいた選手も少なくない。逆境をものともせず、高いパフォーマンスを維持することで、あらためて地力を見せつけた選手もいる。[br][br] 青森県出身者の中から、団体競技で代表入りを目指す7人制ラグビーの本村直樹(ホンダヒート)=八戸出身=に、2020年の戦いぶりや夢舞台に懸ける思いなどを取材した。[br][br]■強化試合で存在感誇示[br] 2020年11月29日、埼玉県熊谷市で行われた7人制ラグビー日本代表候補同士の強化試合「ジャパンラグビーチャレンジ2020」。力強い、大きなストライドでフィールドを駆け回り、軽快なステップで相手DFを翻弄。状況判断もさえ渡り、2試合で5トライを決めた。新型コロナウイルスの感染拡大以降、初の有観客試合で存在感を存分に誇示。「もっともっと決められるように頑張ります」。試合後のインタビューに答える表情は、充実感がにじんでいた。[br][br] 自身にとっては1年ぶりの実戦だった。もともと代表入りを有力視されていたが、19年11月に右脚腓骨を骨折。五輪に間に合わせるため手術を受け、急ピッチで調整を続ける中で五輪延期の一報を聞いた。落ち込んだ時もあったというが、新たに与えられた期間でけがを治すと共に、技術にもさらに磨きを掛けて一線に復帰した。[br][br] 代表選考の一環として行われたこの日の試合では、チームキャプテンも担って2戦2勝と結果を出し、首脳陣とファンに猛アピール。代表入りにも大きく前進した。「緊張していたが、良いパフォーマンスができた」と胸をなで下ろした。[br][br] 代表入りに向けたチーム内競争の中でも、常に念頭にあるのは「チームファースト」の精神だ。強化試合でも自身の活躍は二の次で、「仲間がプレーしやすいように周りを見ることを意識した」。キャプテンとして広い視野を持つ意識を徹底している。[br][br] 今後、チームは再び代表合宿や国内外での実戦を通してレベルアップを図る。代表入りへ選手同士の争いも激化するが、メダルも期待される本番へ「タックルなどディフェンス面を伸ばしたい。周りをよく見て、チームを引っ張っていく存在になる」と気合十分だ。[br][br] 【略歴】もとむら・なおき 八戸市出身。1992年4月生まれ。市立三条中―八戸高―筑波大卒。大学3年時の2014年に7人制の学生日本代表入り。16年からトップリーグのホンダヒート(三重)所属。7人制でのポジションはバックス。身長184センチ、体重89キロ。強化試合後、観客席に向かって手を振る本村直樹=2020年11月29日、埼玉県営熊谷ラグビー場