正しい睡眠で心も体も健康に 三沢市内で「眠育」進む/市教委

「三沢市版すいみんログ」を活用した結果や見えた課題を発表した岡三沢小の児童(上)と第三中の生徒。子どもたちからは睡眠の良い効果を実感する声も上がる=12月上旬
「三沢市版すいみんログ」を活用した結果や見えた課題を発表した岡三沢小の児童(上)と第三中の生徒。子どもたちからは睡眠の良い効果を実感する声も上がる=12月上旬
三沢市教委は本年度、小中学生を対象に、眠りの大切さを学び生活習慣を改める「眠育(睡眠教育)」を進めている。学年が上がるごとに変わる環境、ゲームやスマートフォンへの依存などから、睡眠不足や生活リズムの乱れに陥りがちな現代の子ども。寝方を可視化.....
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 三沢市教委は本年度、小中学生を対象に、眠りの大切さを学び生活習慣を改める「眠育(睡眠教育)」を進めている。学年が上がるごとに変わる環境、ゲームやスマートフォンへの依存などから、睡眠不足や生活リズムの乱れに陥りがちな現代の子ども。寝方を可視化する「三沢市版すいみんログ」を気付きに役立ててもらい、健康や成長、心の安定に影響する睡眠の重要性を伝える。児童生徒からは睡眠の効果を実感する声が出ており、市教委は「望ましい生活習慣を身に付け、体力・学力向上につながれば」と期待を込める。[br][br] 国内では近年、睡眠不足や不規則な生活から、児童生徒が学校を休みがちになる事例などが増加傾向にある。これを受け、市内で成長過程の子どもが睡眠の影響を理解できる機会をつくろうと、本年度は各校が状況に応じて、最大14日間の睡眠をとった時間帯を紙に記録するログを活用、保健指導につなげている。[br][br] 市教委担当者は、ログについて「就寝・起床の時間、寝た長さが分かるだけでなく、傾向を類型化できる」とする。規則正しく寝起きし睡眠も十分な「健康睡眠型」や、就寝・起床時間がバラバラな「不規則型」など問題のあるタイプに分類することで、子どもも周囲も状況を把握できる。[br][br] 12月は2校で、児童生徒がログを活用した結果や見えた課題が報告された。[br][br] 岡三沢小(附田経行校長)では、4~6年生約280人を対象に眠育を進めた成果を、児童が寸劇を交えて発表した。[br][br] 睡眠の傾向を調べると、問題のあるタイプの該当者が6割を占めた。これを受け、各学級で「決まった時間に起きる、寝る」といった目標を定めて実践したところ、いらだちや頭痛・腹痛などの症状を感じる人が実践前よりも減少した。[br][br] 児童は「授業中眠くなる人が減り元気に活動できる。睡眠の効果はすごい」と紹介。同校は「睡眠の大切さを理解すれば短期間でも子どもの意識が変わる」と眠育の有効性を強調する。[br][br] 第三中(松木信嘉校長)では、全校生徒約50人が睡眠時間やスマホなどメディアの利用をやめた時刻を記録。結果の分析が発表され、生徒は▽睡眠が長い日と短い日の差の平均が3時間に上る(1年)▽メディアを使わない日がある人が少ない(2年)―など学年ごとの課題への認識を深めた。[br][br] 3年生は起床時間と就寝時間のずれの大きさが課題に。夜更かししたため翌朝の授業に集中できなかった、との反省もあった。生徒は自分の眠りを見詰め直し、今後の目標を紙に書き出した。小向萌々子さん(14)は「寝る時間がバラバラだった。これからは寝る前に携帯をいじらないように気を付ける」と誓った。[br][br] 市教委は来年度も眠育を進める考え。担当者は「保護者との連携を視野に入れて、家庭にもっと睡眠の大切さを浸透させたい」と展望する。「三沢市版すいみんログ」を活用した結果や見えた課題を発表した岡三沢小の児童(上)と第三中の生徒。子どもたちからは睡眠の良い効果を実感する声も上がる=12月上旬