【超高齢社会の先へ】第5部 未来を見つめて(5・完)

同好会の活動を通して仲間との親睦を深めるシルバー人材センターの会員。趣味に仕事にはつらつと人生を楽しんでいる=15日、八戸市のゆりの木ボウル
同好会の活動を通して仲間との親睦を深めるシルバー人材センターの会員。趣味に仕事にはつらつと人生を楽しんでいる=15日、八戸市のゆりの木ボウル
シルバー人材センターには、定年退職後のシニア世代がこれまでに培った知識や技能を仕事で発揮できる場を提供するだけでなく、会員でつくる互助会での趣味活動を通して、より充実した「第二の人生」を送れるよう支援する仕組みがある。高齢者が生きがいを持っ.....
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 シルバー人材センターには、定年退職後のシニア世代がこれまでに培った知識や技能を仕事で発揮できる場を提供するだけでなく、会員でつくる互助会での趣味活動を通して、より充実した「第二の人生」を送れるよう支援する仕組みがある。高齢者が生きがいを持って自分らしく人生を輝かせることができる環境づくりこそが、超高齢社会の先にある明るい未来を切り開く鍵となりそうだ。[br][br]   ◇   ◇[br][br] 「ストライク!」。15日、八戸市のボウリング場「ゆりの木ボウル」では、市シルバー人材センターの会員でつくる互助会のボウリング同好会「シルバーガースト倶楽部」のメンバーが、軽やかなフォームで次々とボールを投じ、ゲームに汗を流していた。[br][br] ストライクやスペアが決まると、飛び跳ねて喜んだり、拍手を送ったり―。約2時間、休憩を挟むことなく夢中でボウリングを楽しむ姿は、若者に勝るとも劣らない若々しさだ。同倶楽部の代表を務める金田一豊さん(76)は「仕事だけでなく、趣味を深める場があると、仲間もできるし、心も明るくなるね」と声を弾ませた。[br][br] シルバー人材センターは、シニア世代がこれまでの人生で培った豊富な知識や経験、技能を生かし活躍できる仕事やボランティア活動の紹介を通して、高齢者の活躍の場づくりと、地域の活性化につなげることを目的に、市町村単位や複数の自治体にまたがる広域で設置されている。[br][br] 市シルバー人材センターの会員数は2019年度の集計で、青森県内最多となる1353人を数え、最高齢は92歳。剪定(せんてい)や大工作業などの技術系の業務や、宛名書きなどの事務系の仕事、清掃やデータ入力作業などのサービス業務といった幅広い職種で活躍している。同センターによると、就業率は東北地方でもトップクラスの高さだという。[br][br]   ◇   ◇[br][br] 仕事の付き合いだけではない。趣味活動を通して親睦を深めてもらうのも目的の一つだ。互助会にはグラウンドゴルフや手芸、踊り、卓球、名所巡りなどの同好会があり、気の合う仲間同士での交流を楽しんでいる。そのほか、年に数回、ボウリングやグラウンドゴルフの大会、料理教室などのイベントも開催。同好会に所属しない会員も交流できる機会を設けている。[br][br] 目指すのは仕事も趣味活動もどちらも充実させることができる“ワンストップサービス”の提供だ。体力的に仕事ができなくなったことを理由に退会を申し出る会員もいるが、市シルバー人材センターの山谷哲也事務局長は「仕事だけがセンターの目的ではない。互助会での活動に参加してもらい、生きがいづくりや仲間づくりに役立ててもらいたい」と強調する。[br][br] 一方で、定年を引き上げる事業所が増加しているのに伴い、会員の減少が目下の課題だ。同センターでは今後、これまで以上にさまざまな業種の事業所に協力を呼び掛けて会員の活躍の場を増やしていきたい考えで、シニア世代が笑顔で輝ける地域社会の実現を目指していく。同好会の活動を通して仲間との親睦を深めるシルバー人材センターの会員。趣味に仕事にはつらつと人生を楽しんでいる=15日、八戸市のゆりの木ボウル