「三沢らしい物」残したい 旧古間木駅舎建材を保存、譲渡の取り組み

旧古間木駅の駅舎に使われた建材。小笠原彩子代表(右)は三沢の歴史を語る建材を残したい、との思いを募らせる=11月下旬、三沢市
旧古間木駅の駅舎に使われた建材。小笠原彩子代表(右)は三沢の歴史を語る建材を残したい、との思いを募らせる=11月下旬、三沢市
「白樺(しらかば)の駅」と親しまれた三沢市の旧古間木駅の駅舎に使われた建材を残し、まちづくりに生かそう―という取り組みが、市内で進められている。同市の地域活性化支援団体「青森プラスデザインプロジェクト」の小笠原彩子代表(43)は11月下旬、.....
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 「白樺(しらかば)の駅」と親しまれた三沢市の旧古間木駅の駅舎に使われた建材を残し、まちづくりに生かそう―という取り組みが、市内で進められている。同市の地域活性化支援団体「青森プラスデザインプロジェクト」の小笠原彩子代表(43)は11月下旬、市内や周辺地域の住民・団体を対象に、施設の解体後、保存していた建材の一部の譲渡を開始。歴史と情緒を感じさせる「三沢らしい物」を大切にし、いつまでも残したい、との思いを募らせる。[br][br] 古間木駅は1894(明治27)年に開設。駅舎は1934(昭和9)年、シラカバの建材を用いて改装された。61年には三沢駅に改称。87年に駅舎が改築されたが、一部にシラカバが活用され、かつての面影を残していた。その後、駅前の整備事業に伴い、老朽化した部分が撤去された。[br][br] 小笠原代表は2017年、施設を所有する青森県に相談を持ち掛け、旧駅舎の建材の一部について、県から無償譲渡を受けた。[br][br] 「なくなったらそこで終わり。三沢だからこそあった物を残したかった」。18年には、取り組みに賛同する市内の企業や文化施設と共にプロジェクト「三(サン)プロ」を結成。参加団体の鈴木建設工業(同市)の協力を得て、展示などに活用しながら同社倉庫で今年11月まで保管していた。[br][br] 譲る建材は約70本。厚さ約5~8センチ、幅約15センチ。長さは約50センチから2・5メートルまでとさまざま。スギとみられ、白色のペンキが塗られている。小笠原代表は「白く塗って『白樺の駅』の風情を残そうとしていたことにも価値を見いだせる」と語る。[br][br] 「三沢は新しく変わっていく傾向のある街。それも大事だが、培ってきた物を残すことも重要だ」。小笠原代表は保存と活用の意義を強調する。大きさや形を生かしたり、加工したりと活用に制限は設けないが、三沢の歴史を語る物を大切に残したい、との思いを理解してくれる個人や団体、企業に譲りたい―とする。[br][br] おいらせ町の雑貨店「UPCYCLE FOPPISH(アップサイクル フォピッシュ)」店主の松橋結奈さん(35)も、取り組みに共感。11月下旬、同市の小笠原代表方を訪れ、物語を秘めた建材を品定めした。「使い方は思案中だが、駅のことを伝えられるようにしたい」と話す。[br][br] 小笠原代表は「受け取ってくれる人たちの協力を得て、市民に知ってもらうために市内で建材を展示したい。建材を訪ね歩く回遊型まち歩きの仕組みもつくれたら」と地域活性化へのアイデアを語る。譲り受け希望者のほか、加工などを手伝ってくれるボランティアも募集している。[br][br] 問い合わせは小笠原彩子代表=電話090(6223)4507=へ。旧古間木駅の駅舎に使われた建材。小笠原彩子代表(右)は三沢の歴史を語る建材を残したい、との思いを募らせる=11月下旬、三沢市