J3ヴァンラ―レ八戸は第26節を終え、6勝6分け14敗で18チーム中15位と、昨季よりも成績が落ち込んでいる。シーズンも残り8試合。白星を重ねて上位浮上を狙うには得点力向上が急務で、昨季のチーム得点王FW上形洋介(28)の活躍が欠かせない。正確なシュートとゴール前での泥くさいプレーが持ち味で、今季はここまで7得点をマーク。チーム1の点取り屋は「チームの勝利のためにさらに得点を狙う」と意気込んでいる。[br] (12日に発行の月刊スポーツマガジンDash11月号から記事をピックアップしました)[br][br] ■早大への憧れ[br] 小学時代からポジションはFW。小6から中学まではJ1FC東京の下部組織でプレーし、技術を磨いた。幼少期から父親と一緒に早稲田大サッカー部の試合を観戦していたことで、「自然と早大への憧れを持っていた。早慶戦に出場するのが目標だった」。高校を決める際は早大への道を切り開くため、早実(東京)へ進学。「学業と両立しながら、大学、プロへの夢を目指した」。[br][br] 大学はエスカレーター式で早大へ入学したが、全国から有名な選手が入部するため、「当初は自分のサッカーが通用しなかった」。1年時は2、3軍でプレー。それでも真剣にサッカーと向き合い、日々の努力を怠らなかった。3年からスタメン入り。4年時には憧れの早慶戦で決勝点をたたき込み、この試合のMVPに輝いた。[br][br] 大学4年の11月頃、J2長崎から声が掛かり、3日間チームに帯同した。「前線からの守備やチャンスメークなど、とにかく走って、泥くささをアピールした」。実力が認められ、練習日程が終わると、数日後には契約のオファーが届いた。[br][br] ■昇格の力になりたい[br] 2015年に加入した長崎では9試合に出場。経験を積むために、16年には栃木(当時J3)に移籍した。2年間は順調に試合に出場し、得点も重ねたが、3年目は足首の骨折に泣き、これが原因で18年にチームとの契約が切れた。[br][br] けがの状態は思わしくなかった。所属チームのない選手が集まり、Jクラブにアピールする練習会にも参加できず、途方に暮れた。そんな中、オファーが届いた先が、当時攻撃改革に取り組んでいた八戸。「大石篤人元監督が必要としてくれた。けがをしていた自分に声を掛けてくれた八戸には感謝しかない」[br][br] 19年から八戸に加入。これまでのクラブでは2トップの一角としての出場が多く、おとりになる動きに徹し、“黒子役”をこなしていたが、八戸では点取り屋としての活躍を求められた。昨季はCFとして途中出場の試合が多かったが、正確なシュートと卓越したゴール前のポジション取りを武器にチームの得点王に輝く11ゴールをマークした。「後半からの出場が多かった分、役割がはっきりしていた。ゴールにだけ集中できた」。[br][br] 一方、今季はほとんどの試合でスタメン出場し、ここまで7得点。チームは現在、昨季に比べ、成績が低迷気味となっているが、「個人としては、昨年の自分より成長できている」と強調する。八戸一の“点取り屋”はチームの上位浮上に向け、「前線からの積極的な守備もする。チームプレーに徹しつつ、泥くさくゴールを狙う」と闘志を燃やしている。[br][br]かみがた・ようすけ 1992年9月生まれ。東京都出身。早実(東京)-早大卒。長崎(J2)や栃木(当時J3)を経て19年、J3昇格初年度の八戸に加入し、11得点。今季はこれまでに26試合に出場し、7得点をマークしている。身長180センチ、体重74キロ。
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