盛岡市で働きながら演劇活動に励む八戸市出身の嵯峨瞳さん(28)が、9月下旬に盛岡市で開かれた観客参加型短編演劇コンテスト「もりげき王2020」で3連覇を達成した。新型コロナウイルスの影響で一時は開催も危ぶまれたが、当日は多くの演劇ファンが会場に足を運んだ。[br][br]「これからも好きな演劇を続けていく決意を見せたい」。思いを込めて作り上げた舞台は、観客の心をしっかりとつかんだ。[br][br] 嵯峨さんは青森県立八戸高卒業後に岩手大へ進学。小さい頃から興味があった演劇のサークルに入り、夢中になった。演劇で知り合った人々の多くが、仕事を持ちながら活動する姿を見て、社会人になってからも演劇を続けることを決めた。[br][br] 現在は映像会社に勤務しながら、休日などを使って1人ユニット「片目で立体視」として活動。役者としての出演のほか、制作やデザインなど幅広い分野で活躍している。[br][br] もりげき王は1作品20分以内、出演人数3人以内という決まりの中で、観客と審査員の投票による総合点を競う。嵯峨さんは学生時代から参加し、18、19年に優勝していた。[br][br] 前人未到の3連覇が懸かった今年は9月21日に決勝が行われ、王者の嵯峨さんと予選を勝ち上がった3チームが激突。嵯峨さんは1人芝居に挑戦し、観客票を最も多く集め、3連覇を成し遂げた。[br][br] 新型コロナの影響で出演予定だった舞台がいくつも中止に追い込まれたこともあり、「結果はもちろんだけど、観客の方々に顔見せできて、公演を成功させられたことが何よりうれしかった」と嵯峨さん。[br][br] 「演劇と出会い、新しい世界が広がった。最高の舞台を作り上げるまで、まだまだやめられない」と目を輝かせた。