新型コロナで雇用悪化/「再就職できない」青森県内も深刻

青森県内では事業所での解雇や雇い止めが止まらず、求職者に不安が広がる=八戸市中心街(写真はイメージ)
青森県内では事業所での解雇や雇い止めが止まらず、求職者に不安が広がる=八戸市中心街(写真はイメージ)
新型コロナウイルスの影響で地域経済が大きな打撃を受け、雇用状況は悪化の一途をたどる。青森県内でも事業所での解雇や雇い止めが止まらず、求人倍率も5月から4カ月連続で1倍を切った。再就職はもちろん、パートやアルバイトも不安定な状況で、求職者から.....
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 新型コロナウイルスの影響で地域経済が大きな打撃を受け、雇用状況は悪化の一途をたどる。青森県内でも事業所での解雇や雇い止めが止まらず、求人倍率も5月から4カ月連続で1倍を切った。再就職はもちろん、パートやアルバイトも不安定な状況で、求職者からは「生活がままならない」「この先どうなってしまうのか」と切実な声が聞かれる。長引くコロナ禍により、今後も厳しい生活環境は避けられず、不安は尽きない。[br] 「いきなりお先が真っ暗になったよう。今後が心配で仕方ない」。八戸市の女性(40)は今春に勤め始める予定だった会社を一日も働かず、解雇された。子ども2人が小学生となり、久しぶりに働こうと思っていた矢先の出来事だった。[br] 出産を機に、10年以上勤めた会社を退職。夫の収入で生活していたが、子ども2人の今後を考え、4月から新しい会社で働く予定だった。しかし、コロナ禍により状況は一変。自宅での待機を命じられ、「雇える状況ではなくなった」という理由で職を失った。[br] 「夫の収入だけで何とか生活はできる。ただ、ほぼ貯金がゼロの状況。このままでは子どもたちのこれからの学費を確保できない」と焦りを見せる。「就職したくてもできない人たちのためのケアが必要。このままでは生活が成り立たなくなる可能性もある」と危機感を募らせ、行政などのさらなる支援を訴える。[br] 市内の飲食店でアルバイトをしていた20代の男性は、6月初旬に解雇を言い渡された。「4年も勤めていたのに、最後がこれって…。ただ、状況も理解できるので、怒りもぶつけようがない」と憤る。[br] 将来的に自身の店舗を構えることを目標に、日々厨房ちゅうぼうで腕を磨いてきた。解雇には驚いたが、市内で感染者が確認されてからは、軒並み客足が途絶え、店主が頭を抱えている様子を目の前で見ていたので、受け入れるしかなかった。[br] その後、ハローワークへ通ったが、料理に関する求人はほぼ皆無。以前勤めていた飲食店に頼み込んでアルバイトで雇ってもらったが、多くて週に2日勤務がやっとの状況だった。[br] 雇った男性店主も「もっと働いてもらいたいが、現状ではこれが限界。苦しい中ではあるが、ともに頑張っていきたい」と声を振り絞る。[br] 再び飲食業界に携わることができた男性は「正直、もっと仕事がしたい。そのために家で調理の研究を重ねたり、できることをやっていくしかない」と本音も。「市内にずっといたいと思っていたが、今後は外に出ることも考えなくてはいけないのかもしれない。コロナ禍が人生の大きな節目になりそうだ」と深いため息をついた。青森県内では事業所での解雇や雇い止めが止まらず、求職者に不安が広がる=八戸市中心街(写真はイメージ)