下北ジオパーク再認定なるか 今月審査、問われる成果

今月初めて再認定審査を受ける下北ジオパーク。地域住民の参加などが今後の鍵を握る(写真はコラージュ。右から時計回りに東通村の尻屋崎、佐井村の仏ケ浦、むつ市脇野沢地区の海岸で清掃活動をする下北ジオパークサポーターの会)
今月初めて再認定審査を受ける下北ジオパーク。地域住民の参加などが今後の鍵を握る(写真はコラージュ。右から時計回りに東通村の尻屋崎、佐井村の仏ケ浦、むつ市脇野沢地区の海岸で清掃活動をする下北ジオパークサポーターの会)
2016年に日本ジオパークに認定された「下北ジオパーク」は今年、4年に一度の再認定審査を初めて受ける。今月下旬に日本ジオパーク委員会の現地審査があり、4年間の活動成果が問われる。これまで住民活動や学校教育の推進など、認定時に指摘された課題の.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 2016年に日本ジオパークに認定された「下北ジオパーク」は今年、4年に一度の再認定審査を初めて受ける。今月下旬に日本ジオパーク委員会の現地審査があり、4年間の活動成果が問われる。これまで住民活動や学校教育の推進など、認定時に指摘された課題の改善に取り組んでおり、再認定に向けたアピールになりそうだ。地域住民の活動の広がりや資産の活用が再認定の鍵を握っており、今後も継続的な取り組みが求められる。[br][br] ジオパークは貴重な地質や地形、自然を保護するとともに、教育や観光に活用し、地域の持続可能な発展を目指す取り組み。日本ジオパークは4月現在で43地域あり、このうち9地域は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界ジオパークにも認定されている。[br][br] 下北ジオパークは14年の初申請で認定が見送られ、16年に再挑戦して認定を受けた。この時の審査で▽みんなでジオサイトを保全する仕組みづくり▽認定ガイドの活躍の場創出▽教育活動の拡充―など短・中期の11項目について改善を求められた。[br][br] 認定後は住民や民間主体の組織が発足するなど改善が進んでいる。[br][br] 17年9月、ジオパーク活動に賛同する個人・団体が結成した「下北ジオパークサポーターの会」。発足当初の会員は10人30団体ほどだったが、現在は129人56団体に増加。環境保全活動の一環で定期的に開催している海岸清掃は、サポーター以外の地域住民も参加するなど定着している。小田桐隆夫会長(68)=むつ市=は「環境美化の意識は確実に高まっている」と強調する。[br][br] 19年4月からは、ガイド養成講座の合格者による「下北ジオパークガイドの会」が始動。現在の会員は33人で、今年は常設ツアーの有料ガイドも始まり、活躍の場を広げている。原英輔会長(66)=同=は「会員一人一人が自発的に勉強し、確実に力を付けてきている」と質の向上を実感する。[br][br] ほかにも下北地域の学校教育でジオパークを活用した地域学習が推進され、子どもたちの郷土愛の醸成に寄与。知名度向上や地域経済活性化を図る「下北ジオパーク認定商品制度」、研究活動推進に向けた海洋研究開発機構との連携協定締結などもあり、取り組みは前進を見せる。[br][br] 審査で認定時に指摘された課題の改善が見られなければ、条件付き再認定への降格や認定取り消しもあり得る。下北ジオパーク推進協議会会長の宮下宗一郎むつ市長は4年間の活動に自信を示し、「世界ジオパーク認定に向けた第一歩になる再認定にしたい」と、次のステップを見据える。[br][br] 現地審査は27~29日で、26日はリモート審査を行う。同協議会は9月に改善点などをまとめた報告書を提出しており、審査はこれに基づき行われる。結果は来年2月に判明する見通し。今月初めて再認定審査を受ける下北ジオパーク。地域住民の参加などが今後の鍵を握る(写真はコラージュ。右から時計回りに東通村の尻屋崎、佐井村の仏ケ浦、むつ市脇野沢地区の海岸で清掃活動をする下北ジオパークサポーターの会)