【情報滞留行政】八戸市、第3魚市場A棟赤字額 市議会閉会まで公表せず

赤字が問題視されている八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟=8日
赤字が問題視されている八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟=8日
八戸市は10日、開会中の市議会定例会で審議している2019年度の市魚市場特別会計決算で、市第3魚市場荷さばき施設A棟の実質的な収支について、定例会が閉会する17日まで取材に応じない方針を示した。大幅な赤字が見込まれるにもかかわらず、決算内容.....
有料会員に登録すれば記事全文をお読みになれます。デーリー東北のご購読者は無料で会員登録できます。
ログインの方はこちら
新規会員登録の方はこちら
お気に入り登録
週間記事ランキング
 八戸市は10日、開会中の市議会定例会で審議している2019年度の市魚市場特別会計決算で、市第3魚市場荷さばき施設A棟の実質的な収支について、定例会が閉会する17日まで取材に応じない方針を示した。大幅な赤字が見込まれるにもかかわらず、決算内容を議論する議会審議中は負担を強いられる当事者の市民に赤字額を明かさない姿勢。市はこれまでも「議会優先」を理由として市政の重要案件に関する説明を拒むケースがあり、市民に速やかに伝わるべき情報が市庁内に滞留する現状が改めて浮き彫りとなった。[br] 本紙の取材に市水産事務所が回答した。ただし、11日まで開かれている市議会決算特別委員会などの席上、議員側から質問が出た際は議員には回答するとしている。昨年度の決算委では質問が出ず、議会閉会後に市が取材に応じるまで赤字額は公表されなかった。[br] 19年度の同特別会計は歳入2億7822万円、歳出2億5720万円で、2102万円の黒字。しかし、歳入には市の一般会計から1億6318万円の繰り入れがあり、これを除くと実質的な赤字運営となる。決算書にA棟関連のみを抽出した収支は記載されておらず、市の追加説明がなければA棟の実質的な赤字額は明らかにならない。[br] A棟の18年度の収支は6658万円のマイナス。供用開始後の累計赤字は12~18年度で計4億1756万円に上る。19年度の水揚げは目標3万1200トンに対し383トンにとどまっており、赤字がさらに膨らむのは確定的だ。[br] A棟を巡っては、7月下旬に市が改善計画の「事後評価」を国や青森県に提出した後も、8月上旬の市議会経済協議会で説明するまで公表しなかった。[br] 市水産事務所は決算での対応についても「(議会優先は)これまでと同じスタンス。隠蔽(いんぺい)の意図はなく、17日の議会閉会後は取材に応じるし、丁寧に説明する」と強調した。[br] 昨年度は「議会の承認前に報道されると困るので議会が終わるまでは対応しない」と説明していた。赤字が問題視されている八戸市第3魚市場荷さばき施設A棟=8日